冬の朝に小金井公園内にある江戸東京たてもの園を訪れた。園内には移築されたさまざまな建物が展示されており、中に入ったり外を眺めたりすることできる。
すべて、OM-D E-M1にMZD9-18mm/F4-5.6という小型の広角ズームを使った。
これは、東武東上線のときわ台駅近くにある「ときわ台写真場」で、昭和12年築とのこと。残念なことに、逆光の影響をモロに受けてしまった。
上の写真のRAW画像をそのままjpegに落とすと、こんな風になる。9mm端なので遠くのものがより遠くに写ってしまうから、四角いはずの建物の上部がすぼまってしまう。
こういった歪みの修正はソフトウェアだけでもできるのだが、E-M1の場合、EVFに1枚目のような修正後の画像が映し出される。EVFに表示される像を見ながら、シフトの度合いを設定できることが大きい。
こちらは、デ・ラランデ邸と言われる建物で、明治43年ころにこのように改築されたとのこと。武蔵野茶房という喫茶店が入っているので、休憩にも使えます。
1枚目がシフト無しの画像で、全体として縮こまって見える。青空がきれいだったのでiFinishという仕上げにしてみたが、かなりウソっぽくなった。
こちらはシフト有り。この写真の場合、上辺を横に引き伸ばしたような画像(長方形を、上辺が長い台形にした感じ)に変形し、3:4の比率を維持して両端をカットしたような処理になっているので、見比べると中央部や上部の左右が切れている。
このため、普通に撮影してソフトだけでシフト処理しようとすると、肝心の建物の一部が切れてしまったり、足元が入らなかったりしてしまう(素人なので)。E-M1のデジタルシフト機能は撮影時にファインダーで確認できるから、とても気軽に使える。
これは昭和初期の看板建築と呼ばれる様式を残した、荒物屋丸二商店。壁面に銅版を張りつめてある。
シフト無しでは、向こう側に倒れているようにしか見えない。
こういった建物の前に広大な空間があって、それなりに長いレンズで正面から撮影すれば、こういう風に歪むことはないのだけれど、カメラを持って立ち入れる空間は限られていることが多い。神社仏閣などは尚更だろう。なので超広角のレンズで近くから写すしかない。そういうときに、デジタルシフトは有効と思う。無論、シフト撮影専用のレンズがあればその方がいいのだろうけど、専門家でもないしなぁと腰が引けてしまう。
残念なことに、E-M10本体ではデジタルシフト撮影ができない。RAWファイルがあればOLYMPUS VIEWER3でもってデジタルシフト処理を行うことはできるのだが、撮影時に構図やシフト効果の確認ができないのである。なんとかならないもんかね。
江戸東京たてもの園は、建物の中の時代を感じさせる展示もなかなか面白く、飽きることがない。いくつか写真を載せておきます。
小寺醤油店
小寺醤油店
居酒屋鍵屋