miniUHS hoboNicolaアダプター用変換基板について

概要

xiao_miniUHS_rev02

miniUHS + Pro Micro で構成した hoboNicolaアダプターのマイコンボードを、Pro Micro から Seeed Studio XIAOシリーズに載せ替えるためのプリント基板(PCB)を作成。

miniUHS + Pro Micro を二階建て構成で実現した hoboNicolaアダプターについてはこちらの投稿を参照。今回の変換基板は、miniUHS側は変更せず Pro Micro (+3.3V/8MHz) の代わりにXIAOシリーズまたはAdafruit QT Py シリーズのマイコンボードを使えるようにするためのもの。

しばらく前に、ユニバーサルボードを使って同じ目的の変換基板を手作りしたのと基本的に同じ回路になっている。

このPCBは他の基板を発注するついでに(送料を浮かせるために) 頼んでいたのだけど、他のPCBの動作確認やASKeyboardの改造などにかまけるうちに放置状態になっていた。

PCBの外観

xiao_miniUHS_rev02

miniUHSの12ピン×2と、XIAOの7ピン×2を直列に配置するとムダに長くなるので、オフセットさせることにした。結果としてminiUHSとXIAOのセンターがずれてしまって若干幅が広くなるが、致し方のないところだろう。

PCB表面(上)には、LEDや抵抗を実装するための配線を用意したが、hoboNicolaライブラリで使う分には、ほぼ何も載せる必要はない(回路を参照)。

対象とするminiUHSについて

今回のPCBが対象とするminiUHS (mini USB Host Shield ver2) は、以下のような改造により、Pro Microと二階建てで使えるようになっていること。Xマークがパターンカットで点線がパッチ。

miniUHS 改造箇所
mini UHS改造
mini UHS 接続が必要な端子とパッチ

miniUHSは、2018年頃は$5 (USD)程度でいくつでも買えていたが、残念ながら現在は納得のいく価格での入手が困難である (MAX3421EE自体も同様)。

回路など

変換基板なのでほとんど何も載ってない。

xiao_miniUHS_rev02

J1、J2がXIAOのピンソケット(または直付)用で J3、J4がminiUHS用のピンヘッダ用になっている。

MAX3421Eのリセット用配線

J4の#3 (RST)  から J1の#4(X_RST)にハンダジャンパのJP1を介して接続できるようになっているが、これはXIAOからMAX3421Eのリセットをコントロールする実験のため。JP1にハンダを盛って回路を閉じるならば、プルアップ抵抗R4(2.2k)の実装が必須となる。

素のhoboNicolaライブラリでは、JP1をオープンのままで使う。その際には、抵抗R4を2.2kΩではなく0ΩとしてRSTをVCCに直結する(2.2kでも問題ない)。チップ抵抗や実装する手間がもったいないので、R4のパターンにハンダを盛ってショートさせて使っている。

Pro Microと二階建てにするときには、RSTはPro MicroのRESETに接続するようにしていたが、XIAOからはRESET端子がでていないのでVCC直結にして使う。MAX3421E自体がパワーオンリセット機能を備えているので、VCC直結でも特に問題はなさそうである。

LED用の配線

XIAOシリーズは、搭載しているマイコンごとにLEDの種類やLEDに接続されているポートピンがさまざまである。そのためPCB側にLEDを用意しておけば、スケッチも共通にできると考えて配線した。しかしながら、hoboNicolaライブラリの1.6.2からはマイコンボードごとのLED接続の相違をライブラリで吸収するようにしたので、特にLEDを実装する必要もなくなってしまった。

もちろん、この配線を活かして Arduinoのディジタルピン (0,1,2) を使ってLEDを点灯してもよいのだが、ライブラリに付属のメインスケッチに少し手をいれる必要がでてくる。

ハードウェアシリアル用の配線

XIAOのTX, RXピンは、Arduinoで使うときハードウェアシリアルの Serial1 オブジェクトの入出力ピンとなっている。たとえばminiUHSのコントロールを USB Host Shield Library 2.0 で行う場合、settings.h 内の一部を以下のようにすることで、Serial1にデバッグメッセージを出力させることができる。

PCBのJ5(TX, RXおよびGND)のピン配置は、秋月電子の超小型USBシリアル変換モジュール  AE-FT234X  にあわせてあるので、そういう使い方をするときに便利だろうと思って配線した。

LEDやシリアル入出力用の配線は、hoboNicola用というよりminiUHSに別のもの(BTドングルとか)を接続して使うようなときに役に立つ(かも)。

使用時の外観

いろいろなXIAOでの動作確認を行う必要があるので、PCB側には背の低いピンソケット、XIAO側には背の低いピンヘッダを装着している。

hoboNicolaアダプターとして固定的に使うためならば、この変換基板PCBにXIAOをはんだ付けしてしまってもよいでしょう。その場合、XIAOを接続する前に抵抗R4にハンダを盛るなりにして0Ωにしておくこと。

xiao_miniUHS_rev02
xiao_miniUHS_rev02

背の低いソケット/ヘッダといっても、それなりに高さはでてしまう。2つのスルーホール基板を接続するための、コンスルーと呼ばれる製品がもっと安ければそちらを使ったのだが。

xiao_miniUHS_rev02

miniUHSとXIAOのセンターが3mmほどずれてしまうがしょうがない。PCBはもっと薄くしてもよかったか。