LAOWA 7.5mm F2.0が届いた

しばらく前に注文して半ば忘れていた、LAOWA C-Dreamer 7.5mm F2.0 が届いた。LAOWA (老蛙 ) は、中国のAnhui ChangGeng Optical Technology(Venus Optics)社のレンズブランドで、C-Dreamer (Compact-Dreamer) 7.5mmは、マイクロフォーサーズマウントの小型のマニュアルフォーカスレンズになる。

Anhui ChangGeng Optical Technology を漢字に直すと、「安徽長江光学技術集団」になるのだろうか、検索してみると長江(揚子江)のほとりにある安徽省合肥市あたりに本拠地がありそうで、そういえば三国志に登場した地名だったかな程度の印象しかない場所で作られたレンズである。

また、LAOWA を漢字で書くと「老蛙 」になるようで、この名前の由来も知りたいもの。

LAOWA 7.5mm
LAOWA 7.5mm F2.0

ケース(厚紙でできた、ちゃんとした箱)から出してみると、レンズがシュリンク包装されていてちょっと驚いた。これならチリやアリが入り込むこともないので安心。

LAOWA 7.5mm
LAOWA 7.5mm F2.0

包装から出してケースの上に。最短撮影距離の0.12m/0.4ftに距離指標を合わせているが、カメラに装着したときレンズ先端から5cmほどの距離まで寄れることになる。距離指標の下には絞りごとの被写界深度目盛り、その下が絞り環になっている。

LAOWA 7.5mm
LAOWA 7.5mm F2.0

前から。あらかじめフードが装着されており、中央にちょっとデメキン気味の前玉が見える。フードはレンズの外側にはめ込むようになっており、内側には46mmのフィルターを装着するためのネジが切ってある。ねんのため、シリアルナンバー部分はボカしました。

LAOWA 7.5mm
LAOWA 7.5mm F2.0

フードを外すとこんな具合。上部の青いラインの上にフードを装着するためのツメがある。フードの取付け/取外しをやってみるとちょっと固めな印象なので、容易に脱落するようなことはない感じ。
フードの赤点をレンズ側のそれにあわせてねじ込むとLAOWA というブランドが上に来る。ただ、逆さに着けることもできるのでブランド名が目ざわりなときも対処は可能。

レンズの大きさや作りについてはメーカーのページや紹介サイトにあると思うので、このレンズを使って適当に写したものを何枚か。

 

近接撮影

絞りf/2, 1/80秒
絞りf/8, 1/6秒

机の上にフェルト布を敷いてMZD30mm F3.5マクロレンズを寝かせ、このレンズをE-M1 markIIに着けて、ほぼ最短撮影距離で使ってみた。できあがりの印象としては、とてもシャープできれい。また、最短撮影距離近辺での撮影なのに中央部以外も破たんしていない。安い魚眼レンズとはだいぶ違う。

1枚目が絞り開放のf/2で2枚目がf/8。EVFで拡大表示して”30mm” というレタリングあたりにピントを合わせた。絞りf/2の方は、全体として露光が不均一に見えるが、これはシャッター速度が速い(1/80秒)のでAC電源接続のLED照明のフリッカーの影響を大きく受けてしまったもの。f/8の方はほぼ4段分遅くなって1/6秒だったから問題ない。こうして並べてみると、ISO LOWにしてもっと低速にすればよかったかもしれない。

そういえば、LAOWA印のついたレンズキャップは、レンズにフードを装着したままでも着け外しができるよう、中央部と外周部をつまめるようになっている。46mm径なので当然小さい上にキャップ自体が薄いから、ちょっと扱いづらい。今のところフィルターを着けずに使う予定なので、脱着が容易なキャップに変えるか、フードを変えるかちょっと考え中。

 

建物など

遅い昼飯時にちょっと抜け出して、公園に移築された古民家を撮影。レンズが小さいからボディも小さくしたくて、横グリップを外したE-M5 markII を使った。

長屋門
絞りf/2.8, 1/2500秒

ある程度距離を置いて写す分には、絞りを変える必要性をあまり感じない。明るい時間帯ならf/4かf/5.6にしたままになりそうだし、ピントも無限遠あたりにしておけば、ほぼ大丈夫だろう。

長屋門
絞りf/4, 1/1250秒

近づいて撮影すると、遠近感が強調されて庇の角が突き出してくるが、左手にある照明灯が歪まないのがいい。

長屋門
絞りf/4, 1/1000秒

正面から建物の近くで。屋根のバランスが悪くなってしまうのは致し方ないだろう。もう一歩下がってデジタルシフトを使いたくなったのだけど、今回は見送った。他社製のマニュアルフォーカスレンズでも、カメラ自体がもつデジタルシフト機能を使ってEVFでシフト効果を確認しながら撮影することは可能。
そういえば、E-M5IIやE-M1無印のデジタルシフトと、E-M1 markIIのデジタルシフトはちょっと操作性が変わっていて、E-M1 markIIでは横シフトと縦シフトを前後のダイヤルで同時に反映させることができる。それが必要な場面に出くわしたことはないのだが。

 

植物

あまり遊んでばかりにもいられなかったのだけど、通り道の公園で撮影。

竹林, 絞りf/4, 1/30秒

雨は少ないものの、竹だけは元気に伸びている。左右の竹がグニャっと曲がって写るんじゃないかと思っていたら、EVFには想像していたよりまっすぐな竹が見えた。逆に110度の画角って、こんなもんだっけと思ってしまった。

ネムノキ, 絞りf/2, 1/800秒

ネムノキの新しい葉が伸びていたので、オオクモヘリカメムシを探したが見つからず。しょうがないので、住宅地を背景に葉だけを絞り開放で撮影。葉の先にカメムシか蝶でもとまってたとしても、ほどよい大きさに写りそうな感じ。

あくまでマニュアルフォーカスレンズなので、片手でカメラを操作するのは難しいが、あらかじめ最短撮影距離までピントリングを回し切っておいて、左手を使って被写体をレンズに近づけるとか遠ざけるとかすれば、手乗りの昆虫なんかにも使えるだろう。

 

きょうのまとめ

オリンパスのPROレンズの値段を見慣れてしまうと、大概のレンズは安く感じてしまってよくないのだけど、この LAOWA 7.5mm F2.0 はあまり安くはない。ただ、数時間しか使っていないものの、価格相応かそれ以上の価値(性能) があるような印象を受けた。以前から持っている安いレンズの代表の SAMYANG 7.5mm Fisheye とはだいぶ違う。

街の夜景でも撮りに行きたいところなのだけど、梅雨時なので予定が立てにくい。以前、MZD9-18mmで写した場所を7.5mmで撮って比べてみたい気がするから、次の週末はこのレンズを着けたカメラをもって炎天下の公園でもうろうろすることになるのかな。

 

追記

作例ということもないが、井の頭公園でLAOWAを使ったときの投稿を追加しました。

キャンペーン品も到着

6月末に、国内正規輸入代理店のサイトロンジャパン社から初回出荷特典のレンズフィルターも届いた。早めに注文しておいたカイがあったというもの。LAOWA7.5mmを使ってキャンペーン品を写してみた。

LAOWA Filters

LAOWA Filters

46mm径の、UV、CPL、ND1000の3種類。フィルターのケースは77mmでも86mmでも入りそうなくらい大きい。フィルター自体はとても枠が薄くて軽い。これらのフィルターによるケラレはないように思う。そういえば、46-52mmのステップアップリングをつけてみたら、しっかり四隅がケラレてしまった。52mm径のネジ込み式フードやフィルタは使えないということ。

このレンズを野外で使うときは画角が大きいゆえに逆光条件になってしまうことが多いから、あまりフィルターは使いたくないのだけど、せっかくもらったのでしばらくはプロテクターのつもりでUVを使ってみようと思っている。CPLは最近出番のないMZD25mm F1.8で使うことになるか。

ND1000はスローシャッター用だろう。Fストップ10段分(2の10乗 = 1024だからND1000)ということになるから、NDフィルター無しのときに絞りf/4で1/1000秒が適正露出ならば、ND1000をつければシャッター速度は1秒になる(当然、同じISO感度で)。噴水でも写してみるといいのかもしれないが、それなりの大きさの三脚持って行くのがオックウである。