OM-D E-M1 mkIIの深度合成

手持ちでのフォーカスブラケット撮影や、撮影結果の深度合成をよく使うようになったのだけど、E-M1のversion4.0から備わったカメラ内深度合成はあまり使っておらず、もっぱらCombineZPというフリーソフトウェアで合成していた。しょうしょう後処理が面倒ではあるものの、マクロレンズはE-M5 mkIIに着けることが多かったからというのがもっぱらの理由。
E-M1 mkIIも深度合成機能を備えているので、たまに使っているが、ちょっと違和感があったので調べてみた。

ブラケット撮影との違い

あらためて使ってみると、深度合成を伴わないフォーカスブラケット撮影とはいくつか違いがあることが分かった。

連写コマ数

カメラ内深度合成が伴う場合、撮影枚数は指定できず8コマに固定される。あまり多くても、各フレームのバラつきが大きくて合成に失敗するでしょ?っていう親切心なのだろうか。事実、カメラ内深度合成処理は失敗する(合成できませんでした、と表示される)ことが多い。

E-M1 mkII フォーカスブラケット設定
E-M1 mkII フォーカスブラケット設定

深度合成をOnにすると、撮影枚数は指定できない。

E-M1 mkII フォーカスブラケット設定
E-M1 mkII フォーカスブラケット設定

Offならば枚数は3~999コマまで指定可能。

カメラ内合成を使う場合、コマ数が8コマと少ないから、そこらにいる昆虫を写そうと思うとピント面の移動距離にあたるフォーカスステップを大きくする必要があるが、MZD60mmマクロで倍率0.5倍以上で、絞りを開け気味にしたとき、被写界深度は2mm程度しかない。各コマの間に深度外の部分ができても困るので、せめてステップ4以下で使いたい。しかしながら、そうすると全体が深度に収まらないことが多い。

ピント面移動

E-M1 mkIIやE-M5 mkIIの単なるフォーカスブラケット撮影では、ピント面は手前から奥に単純に移動していくが、カメラ内深度合成を伴う場合、いったん手前に動いてから奥に向かって動くようだ。

アルミ定規を深度合成ありのフォーカスブラケットで撮影したもの。MZD60mmマクロで絞りf/2.8でフォーカスステップ4。レンズの指標によれば撮影倍率はもっとも手前のときに0.5倍強だった。

1コマ目
1コマ目
2コマ目
2コマ目
3コマ目
3コマ目

1コマ目を写す前には、おおむね150mmのメモリにピントを合わせておいた。2コマ目では、どう見ても手前の148mmあたりにピント面が来ており、3コマ目で最初とほぼ同じ位置に戻っている。
メーカーのホームページには、

  • フォーカスの移動は撮影開始時の基準位置から、至近側2枚、無限側5枚の計8枚。

と書いてあるが、こういう意味だったのか。

8コマ目
8コマ目

最後のコマでは154.5mmあたり。最初に戻っている分(2コマ分)だけ意図したより手前で終わった。あるいは、1ステップ分手前側が深度に含まれる、ということになる。

合成結果

カメラ内合成結果
カメラ内合成結果

カメラ内合成の結果は、撮影時よりもクロップされる。オリンパスのFAQによれば、上下左右約7%ずつ切り取られるらしい。なので、E-M1 mkIIならば5184×3888が4458×3343になるわけだが、出来上がるjpegサイズは5184×3888のままでてくる。撮影時にファインダー一杯で撮ってしまうと合成結果の端が切れていたりしてガッカリするので、これは注意が必要だろう。

CombineZPで深度合成
CombineZPで深度合成

CombineZPでの結果は、わずかにクロップされるものの、上に載せたブラケット撮影時の各コマとほぼ同じなので、EVFで見ていた撮影時のイメージに近い。

対応レンズが少ない

上にリンクを置いたFAQページにも書いてあるが、カメラ内深度合成を使える対応レンズはあまり多くない。

E-M1 mkII フォーカスブラケット設定
E-M1 mkII フォーカスブラケット設定

例えばMZD25mm F1.8を着けてみると、フォーカスブラケット撮影は可能だが深度合成の選択が禁止されてしまう。レンズの仕様なのか、商売の都合なのか、たぶん後者なのだろう。

実写

キマダラカメムシ
キマダラカメムシ, カメラ内深度合成
キマダラカメムシ
キマダラカメムシ, CombineZPで深度合成

E-M1 mkIIが届いた翌日に近所にいたキマダラカメムシを撮影。絞りf/4、1/200秒(ISO200)で、フォーカスステップを8にしないとここまで収まらなかった。
生きているので触角が動いているが、標本を撮影しているわけでもないから、こういうのはアリだと思っている。
ただ、カメラ内合成結果では触角の先端が切れてしまっていてガッカリだった。

シロフフユエダシャク
シロフフユエダシャク, CombineZPで深度合成
シロフフユエダシャク
シロフフユエダシャク, カメラ内深度合成

1月に入ってようやく見つけたシロフフユエダシャク。例年12月からたくさん見るのだけど、この冬はなかなかお目にかからない。街灯のLED化で探すべき場所が変わってきた、というのもあるだろうけど。

右側の翅の先は、コナラの樹皮に応じて手前側に大きく曲がっているのでうまく撮れていないのが残念。

シロオビフユシャク?
シロオビフユシャク?,2017年1月上旬,東京都
シロオビフユシャク?
シロオビフユシャク?,2017年1月上旬,東京都, カメラ内深度合成

フユシャク亜科の♀。シロオビフユシャクだろうか。
1枚目はフラッシュを使った一発撮り(絞りf/8, 1/60秒, ISO200)で、2枚目はフォーカスブラケット+カメラ内深度合成(絞りf/2.8, 1/60秒,ISO200) したものでフォーカスステップは6とした。
ピント面がいったん手前に戻ることを意識しすぎたせいか背中の部分が被写界深度の谷間に入ったようで、ブラケット撮影された各コマを見ていっても背中にピントが合っているコマがなかった。フォーカスステップを小さくしてコマ数を増やしたい。

きょうのまとめ

E-M1 mkIIのカメラ内深度合成は手軽に使えるし、撮影したその場で合成結果が確認できるのは便利である。ただ、せめて連写コマ数を16コマくらいまで増やすとともに、各コマの撮影に要する時間も短縮して欲しい。カメラ内の処理能力も向上してるだろうから、E-M1と一緒じゃなくてもいいんじゃないのかな。

カメラ内合成によってクロップが生じるならば、EVF内に枠でも表示するか、デジタルテレコンのようにクロップされた内容を表示してくれてもいいような。

せっかくの休日の天気が悪いと、こういう余計なことを書いてしまう。今年はお花も深度合成で撮影してみたいが、立ち姿勢でユラユラせずにいるのが難しそう。