ここ数年の11月に写した蛾の写真から目ぼしいものを集めた。すでにほかの投稿で使った写真も含まれていることもあります。
例年11月の下旬になると都内の公園の紅葉だったり、フユシャクが気になって出かけることが多くなる。また、木々の葉も落ち始めているので野鳥も見つけやすくなる。
ヤママユガ科ウスタビガ
前翅後翅の左右にある銀白色っぽい斑紋は、薄紙状というか半透明になっていて背景の色が透ける。
近所でみるヤママユガ科の蛾といえば、ポピュラーなオオミズアオくらいのものなのだけど、2019年にはウスタビガに遭遇できてラッキーな感じ。
シャクガ科
ニトベエダシャク, 2015年11月下旬,東京都電柱にへばりついていたニトベエダシャクをフラッシュ使用で。コーヒー色とミルクコーヒー色のツートーン。電柱もよく光るこげ茶色なので、しょうしょうカラーバランスが狂っているかもしれない。
こちらは自然光で撮影。日差しが強いときは被写体を身体の陰にして、この写真のような影がでないようにすることも多いのだけど、ふつうに写すとこんな具合になってしまう。
初冬を代表する?チャエダシャク。最初がメスで2枚目がオスだろう。
2019年の3枚は、OM-D E-M1mkIIのカメラ内深度合成を使った。レンズは12-40PROを使用。そういえば、E-M1mkIIのファームウェアバージョン3.0からは深度合成時にクロップされる範囲がEVFに表示されるようになったので、こういう大きな蛾の撮影がやりやすくなった。また、撮影時間や合成時間も若干短縮された印象。
カメラ内深度合成はフォーカスブラケット撮影と組み合わせて行うが、フォーカスステップ(ピント移動距離)の設定変更を即座にできるともっといいのだけど。
左右の前翅と後翅にメダマのような模様と、その周囲のメタリックな鱗片が特徴的なフタツメオオシロヒメシャク。
あわい緑色の翅と、太く反り返った触覚、そして、長い前脚が特徴的なウスミドリナミシャク。MZD30mmマクロとRCフラッシュ使用。
こちらは12-40PROとカメラ内深度合成で撮影。
11月の下旬から12月の中旬ころまで、クヌギやコナラの林でヒラヒラ飛んでいるクロスジフユエダシャク。その年の気温によるのか出現してくるタイミングは年によって前後するようだ。ちょっといい天気の午前中に出かけるとよく目につく。
交尾中の様子。ヒラヒラ飛ぶオスを目で追いかけ、枯れ葉の下に潜り込むのを待つ。うまくするとそこにメスがいるのだけど、一休みするオスばかりでなかなかメスは発見できない。
コブガ科キノカワガ
コブガ科の蛾はほとんどお目にかからないのだけど、キノカワガだけは11月~2月の寒い季節に遭遇することがある。だいたいは越冬中なので数ヶ月のあいだ同じ場所にいたりする。
上のニトベエダシャクやチャエダシャクと同じブロック塀にとまっていた。ブロックの継ぎ目に身を寄せて越冬する構えなのだろう。この個体は翌年の2月まで同じ場所にとまっていた。
RCフラッシュを使用。OM-Dに付属の小型フラッシュをコマンダーにして、左手に単4電池2本で使えるFL-300Rというフラッシュをもって撮影。
ヤガ科
緑色がきれいなケンモンミドリキリガ。幼虫はヤマザクラにつくということなので、近所でももう少し目にしてもいいと思うのだけど、あまり見ない。暗くてフラッシュを使ったので、翅がベタッとした感じになってしまった。
この季節にもっともポピュラーなカシワキボシキリガ。だいたい11月下旬から1月ころまでよく見かける。
クヌギの森を探索しているときに見つけたミドリハガタヨトウ。もうちょっと緑色が残っているとよかったんですが。
いずれもわずかに緑色の鱗粉が残っている。
エノキの側にはびこる葛の葉の上で発見したニレキリガ。夏~秋の蛾のようだが、今年は暖かいせいか、まだ活動中だった。
上から見ると翅を思いきりつぼめているような感じ。この蛾にとっては、必ずしも暖かくないのかもしれない。
冬を越そうとするアカスジキンカメムシの幼虫が棲むコムラサキを見に行くと、秋に現れるウスキトガリキリガが葉にしがみついていた。2日間ほど同じところにいて、3日目にはいなくなっていた。
公園の中で見つけたキバラモクメキリガ。枯れ葉の上にいると枯れた枝にしか見えないのだけど、緑が残る葉の上に足が見えていたので、少々離れた位置からでも気が付くことができた。
上から見ても、丸まった枯葉あるいは折れた枯れ枝に見える。ただ足がよく目立つのである。
スズメガ科
なぜか事務所の自動ドアにホシヒメホウジャクしがみ付いていた。灯火につられて迷い込んできたのかな。翅のかたちが枯れ葉のよう。
枯葉に載せてちょっと移動して撮影。その後窓を開けて外に逃がしてやったが、どこに行ったやら。
こちらはツバキの葉にとまって翅を震わせていたホシホウジャク。翅頂部分に長方形の黒い紋があるから、ホシホウジャクだろう。ホバリングしているときもこの長方形で判断できる。
11月のはじめのころに見た、おそらくウンモンスズメの幼虫。ケヤキの幹を這っていた。