ハムシはコウチュウ目ハムシ科に分類される虫の総称で、漢字では「葉虫」、英語でもLeaf beetleと呼ばれていて、たいていは植物の葉や茎についている。ハムシを目当てに出かけたことはないものの、あちらこちらで目にするので、そのたびに写すことが多い。その中から目ぼしいものをいくつか。
前回は、アカハネムシやヒメスギカミキリと似て見えるということで登場したキイロクビナガハムシ。ハムシ科の中のクビボソハムシ亜科に分類されている。赤いのに「キイロ」という名前がついていることと、触角が太めなのが特徴。
ヒゲナガハムシ亜科に分類されているサンゴジュハムシ。その名前のとおりに、団地や公園によく植栽されているサンゴジュ(珊瑚樹)の害虫として有名らしい。地味めで触角が長く、頭から胸にかけて黒い線が走っている。
やはりヒゲナガハムシ亜科のウリハムシ。これは近所の畑の側で撮影したのだけど、たしかにカボチャやキュウリが栽培されていた。ウリハムシの楽園だったのだろう。
メタリックなヨモギハムシはハムシ亜科に分類されている。この個体は銅色に輝いていた。体長は6,7mm程度。
春になると現れるオレンジ色に黒いスジが入ってきれいなイタドリハムシ。テントウムシに似ているが、触角の長さや太さが違う。ハムシにしては大きめで8mm強といったところ。ヒゲナガハムシ亜科に分類されている。
逆風に長い触角を逆立てながら遁走しているところ。
そういえば、ハムシを写すときは指で葉や茎をつまんで風で揺れないようにし、右手でカメラを操作することが多いのだけど、同じことを小さなコガネムシ(アシナガコガネとかヒゲブトハナムグリとか)相手にやろうとすると、彼らまたは彼女らは、コロッと地面に落ちてしまう。翅を拡げてくれればいいのに、重力を利用して自然落下し茂みの中に隠れてしまうのである。分かっていてもつい油断して撮影機会を逃すことが多い。
ヒゲナガハムシ亜科のクワハムシ。ミドリシジミにも通じるメタリックグリーンの輝きが美しい。触角が長く、胸の上部に窪みがあるのが特徴。
自分の左親指の爪に定規をあててみたところ、体長はだいたい6,7mmといったところで、標準的なハムシの大きさだろう。
いずれも自然光で撮影しているが、f/8に絞ってシャッター速度は1/25秒といったところ。シャッターを押した次の瞬間にはEVF内で撮影結果が確認できるので、構えたままブレの有無や成功/失敗を判断できるのがミラーレスカメラのいいところだろう。
以前にもこのブログに登場しているオオアカマルノミハムシは、ノミハムシ亜科に分類されている。「ノミハムシ」の仲間には体長2,3mm程度の小型のものが多いようで、光る点が動いているようなハムシもよく見る。それらに比べれば、十分に大きいから「オオ」なのだろう。
この写真は等倍撮影しているので、画像の横幅とハムシの横幅の比をセンサー幅の17mmに掛けると5.4mmとなる。真横から撮影していると見なせば、体長約5.4mmということになる。
テントウムシの一種に見えるが、クロボシツツハムシというツツハムシ亜科に分類されるハムシ。個人的な印象としては、イタドリハムシは可愛いのだが、クロボシツツハムシは可愛くない。その理由は、頭のすぐ上にある胸部前側の黒い模様が、上目使いに人を見ているような印象を与えるせいかな。
ムナキルリハムシ(胸黄瑠璃ハムシ)はナガツツハムシ亜科に分類されている。触角が細くて短い。背中が瑠璃色に輝いているので「ルリハムシ」という名前がついたのだろう。以前に載せたコガタルリハムシは、ハムシ亜科に分類されており、名前は似ているもののあまり近い種ではないらしい。
おそらくニホンケブカサルハムシという、サルハムシ亜科の一種。体色は黒いのだろうが、黄色または黄褐色の毛に覆われている。ハムシというよりゾウムシの仲間に見えるのだけど、ゾウムシとは触角が違うし、顔付(?)も違う。4月の半ばから下旬にかけてはよく見かけたのだけど、気温が上がってからはあまり見なくなった。
やはりサルハムシ亜科に分類されているアカガネサルハムシ。「アカガネ」というのは「赤金」で銅のことだろう。銅色に輝くというよりは、虹色に輝いて見える。体長はだいたい6,7mmといったところ。
この時季よく目にするハムシなのだけど、なぜか雨の日の朝や午後4時過ぎの日陰といった、フラッシュが必要な状況で遭遇することが多い。1枚目はフラッシュ使用で露出補正を+1.3EVで撮影。色が出てくれないのは撮影確認ですぐ分かったので、2枚目はフラッシュをあきらめて電子シャッターを使って1/15秒で撮影(ISO1600)。脚が動いていたり全体にパッとしないものの、色はこちらの方が再現できていると思う。