新しいOM-D, E-M1mkII

OM-D E-M1mkIIを昨年のうちに入手していたので、初代のE-M1との外観の比較などを。

E-M1mkIIは初代に比べると少しずつ微妙に大きくなった。幅が3.7mm、厚さが5.8mm増加したが、高さは逆に2.6mm低い。重さについては、電池やメモリカードを装着した状態で77g増えている。しかしながら、この2週間で2500コマほど撮影した体感では、かえって軽く感じている。なお、撮影枚数はメモリカード内のRAWファイル数で割り出したから、実際のシャッターボタンを押した回数はその1/10程度と思う(連写やプロキャプチャを多用したので)。

外観

E-M1とE-M1mkII
上がmkII

上から見ると、OM-Dと書かれた部分の傾斜が特徴的で、モードダイヤルやグリップ部分が大きくなっているのがよく分かる。また右側のストラップ取り付け金具が上部に移動したことで、シャッターボタンを操作する右手に干渉しにくくなった。
いずれのAFイルミネータもOM-Dの”O”とグリップの間にあるが、夜間に蛾を撮影するようなときも指によってイルミネータが邪魔されるようなことはなかった。E-M5IIのAFイルミネータは左側の端にあるので、たわんだストラップが前をふさぐようなことがたまにあるのだけど。
初代E-M1の電源ON/OFFのレタリングはこすれて消えてしまった。頻繁に使うせいかな。

E-M1とE-M1mkII
右側が初代

横からみると、アクセサリポート2 (AP2) が廃止になった分だけホットシューが低い位置に移動したが、EVFの位置は若干高くなりEVFの接眼部も後に出っ張っているような感じ。mkIIからはAFターゲットパッド機能(EVFを見たまま背面液晶をなぞることで、AFポイントを移動する機能)が着いたので、窮屈さを感じさせない配慮かもしれない。

そういえば、EVFを見たまま背面液晶をダブルタップすることで、ターゲットパッド機能をオン/オフできることに気が付いた。撮影中に指でこすっても動かないことがあって焦ったのだけど、ちょっと使っているうちに分かった。AFエリアの選択中ではなく、通常の表示状態でのみ有効です。エリア選択中にダブルタップしてエリアをホームに戻す、なんて機能もあると良かったんですが。

E-M1とE-M1mkII
左がmkII

後から見ると、Fnレバーの向きとMENUボタンの位置が変わった。初代やE-M5IIでは、ただのレバーだったのだけど、mkIIからはFnレバーという名前がついたようである。MENUボタンについてはEVFを覗いたまま使うこともないので、削除ボタンから離れましたね、といった程度の印象だが、初代からFnレバーは多用しているので、ちょっと慣れがいった。

OM-Dに限らないとは思うが、ボタンやレバーの設定は使っている人によってさまざまであり、設定可能な組合せも多くてすべてを試す気もしない。自分の場合はAF方式の切替えに使っていて、例えば野鳥が枝から動かないならS-AF+MFだが、飛びたちそうならC-AFに切り換えるとか、ジッとしているカメムシをとりあえずはS-AF+MFで撮影し、等倍でも記録するならレンズを等倍設定してからレバーでMFに変更なんて使い方をしているので、ちょっと遠くなったレバーに指が掛からなくて焦る、なんてことが数日間続いたがすぐに慣れました。

外部端子

mkIIのレリーズ端子
mkIIのレリーズ端子

mkIIのレリーズケーブルを接続するための端子は、グリップ側に移動し、2.5mmのステレオピンジャックになった。ステレオ(GNDの他に2接点)になっているのは、AF用の半押しと撮影用の全押しの2回路必要だから。昔持っていたキヤノンの高級(?)コンデジ用のリモートレリーズが2.5mmピンだったので、試しに使ってみたらうまく動いた。たぶん、サードパーティー製のタイマー機能付リモートレリーズスイッチなんかも使えるだろう。

mkIIの端子群
mkIIの端子群

リモートレリーズ以外の外部端子は、バリアングルのヒンジ側に来ており、上からマイクロホン、イヤホン、HDMIとUSBとなった。おのおのに専用のカバーがついた。バリアングル液晶を完全に開いて半端に上に向けようとすると、マイクに干渉するかもしれないが、E-M5IIの配置よりも確実によくなっている。
以前、E-M5IIのレリーズケーブルが背面液晶のヒンジ側にあるのでバリアングルを開きにくい、なんていう話を書いたのだけど、E-M1 mkIIでは問題なさそう。

カードスロット

mkIIのカードスロット
mkIIのカードスロット

カードスロットは2枚入るようになった。現状、写真のようにUHS-IIの64GBとUHS-Iの64GBを入れている。カードの使い方も設定次第のようだが、UHS-Iの東芝側は完全な予備と考えて「自動切換」(スロット1のカードに書けないときは、スロット2のカードに書く)にしている。2つのスロットの書き込み可能速度は違うので、ディスクミラーリング的な「同一書込み」はUHS-I側が律速してしまうだろう。連写を多用するならば、自動切換一択のような気もするのだが。

追記

初回なので、画像ファイルが増えてもカードを初期化せずに撮影を続けていたら、ある時点で「[2]に切り換えました」といった主旨のメッセージがEVF内に短時間表示された。スロット1のカードがディスクフルになった、ということだろう。撮影自体は何事もなく続行できた。
満杯になったスロット1のカードには、RAW+JPEG ( MF、2560x1920pixに設定)で約3100コマ格納されていた。これはカメラが思っている書込み可能コマ数(約5000コマ)よりもかなり少ないが、カード2枚分だとすれば納得できる。RAWファイル(ORF)の大きさは、16M~21MBytesで平均17.4MBytesだった。

書込み先が自動切換えされた後で両方のカードを初期化しても、書込み先は[2]のままになっていることに注意が必要だろう。設定メニュー内で自分で戻してやる必要があるようだ。

粗さがしになってしまうが、自動切換え後にカメラでカードを初期化した後、動画の録画可能時間が00:00:00になってしまった。コントロールパネルから動画書込み先を[1]に設定して電源を入れ直すと正しい表示(FHD ALL-I 24Pで約40分間)となるが、再度電源を切り/入りすると00:00:00に戻る。その状態で動画撮影を開始しようとすると、「カード残量が足りません」と表示され、ご親切に静止画の記録スロットも[2]に変更されてしまう。カメラかカードか、カメラによるカード初期化か、問題点が分かるまでは動画の書込みスロットを[2]として気持ち悪さを回避した。
[1]のカードを再度カメラで初期化することで、この現象は起きなくなったが、また遭遇したときの対処法として記録を残しておく。

11月にこのカメラを予約したときには、スロット2に入れているEXCERIA PRO 64GBをメインに使おうと思っていたのだけど、マイクロンジャパンが公開した以下の動画を見てコロッとやられた。

https://www.youtube.com/watch?v=k6G-RXIjLRA

初代E-M1で秒9コマの連写Hを使っていたとき、撮影後の書き込みが完了するまで、マイセットが切り換えられなかったり、次の連写がすぐにツマったとかの待ちの経験が豊富にあるので、カード書込みからカメラをすぐに解放してくれるメモリカードは魅力十分。値段はEXCERIA PRO 64GBの3倍強だったものの即ポチし、mkIIが届く寸前に入手した。

カスタムモード

mkIIを上から
mkIIを上から

mkIIのモードダイヤルには、C1、C2、C3という3つのカスタムポジションがついた。おのおのを選択することで、カスタムモード1~3を選択できる。
その代わり、シーンモードとフォトストーリーのポジションが消えた。pdfマニュアルを開いてこれらの用語を検索してみても見つからないから、機能ごと消えてしまったようである。確かにこのカメラでは要らない機能ではあるのだけど、パノラマ撮影くらいはたまにしたくなるかも。

カスタムモードは、初代E-M1でのマイセットと同じように動作する(各カスタムモードに割り当て可能な機能の詳細までは見ていないが)。従来のマイセットは1~4まであったのだけど、カスタムモードは3つしかない。また、初代のマイセット選択はボタンに割り当てることができたがmkIIのカスタムモードはダイヤルでしか選択できない。

初代E-M1でボタンを押してマイセットを選択した場合、MENUボタンを押すとマイセット選択は終了し、通常の設定に戻る。ただ、iAUTOなどのモードダイヤルにマイセットを割り当てていた場合、MENUに入ってISOオート設定なんかをいじっても、電源を切るかダイヤルポジションを変更するまではそのマイセットに対する設定の一部として記憶された(通常の設定には影響しない)。そして、その状態でマイセットの登録操作を行えば次回以降の選択のために永続化できた。mkIIでのカスタムポジションはそれと同様で、最初からモードダイヤルにマイセットが割り当てられていると考えることができる。

初代ではマイセットが割り当て可能なダイヤルポジションがiAUTOとARTの2ポジションしかなかったが、mkIIではC1~C3の3ポジションになったことが進歩といえるが、ボタンでカスタムモードが選択できるような設定があってもよかったと思う。EVFを覗いたまま、電子シャッターにしてISOオート設定 (ISO範囲と感度上げ下限SSの設定)を切り換える、元に戻す、なんてことを一瞬でしたいので。

電池

電池
BLN-1とBLH-1

電池 (BLH-1) は大きくなった。OM-D E-M5、E-M1、E-M5IIで共通だったBLN-1が1220mAhなのに対し、BLH-1は1720mAhである。40%強の大容量化、価格も40%弱の上昇。
本体と共に予備電池も1つ購入したが、2500コマ弱の撮影で、ようやく2本分使い終わった。本体の電源を使う付属フラッシュもたまに使ったことを考えると、かなりモチがよくなったと言える。
EVF内にも電池残量がパーセント表示されるようになったから、突然オレンジ色の点滅状態になって驚くこともないだろう。C-AFでプロキャプチャーLを選択して半押し状態を維持していると、残量がみるみるうちに減っていくのも分かる。いつ飛び立つとも分からない鳥を相手にしているときなど、とりあえず諦める基準にもなるかもしれない。

きょうのまとめ

最初の方にも書いたが、若干の大型化を感じさせないほどバランスがよくなった。また、EVFの見え方やAF性能の向上がかくあるべき機能改善だとすれば、連写性能やプロキャプチャー機能は価格相応の進歩だろう。

初代E-M1は購入初日からフリーズしてくれて、その後3年間毎度のように固まっていたのだけれど、mkIIではまだ遭遇しておらず安定している。

問題があるとすれば、初代E-M1やE-M5IIと一緒に持ち出したとき、その使用感の違いや性能差に愕然とすること。この大きさなら2台あってもいいね、とか思ってしまうが、これはOM-Dならではかもしれない。もっとも、2台目の前に同じような価格のレンズも欲しいわけですが。

そういえば、メーカーの仕様表を見ていて気が付いたのだけど、mkIIの撮像画面サイズは17.4 mm × 13.0 mmになっている。初代は17.3mm × 13.0mmである。PEN-FのもmkIIと一緒だから、20MPセンサーになって0.1mm大きくなったようだ。16MPと20MPで違いがあるのかどうか、そこは何とも。