5月の半ばになって、あちらこちらでアカスジキンカメムシの成虫を見るようになった。東京地方では、ちょうど羽化のシーズンなのだろう。
最初に見た成虫。アジサイの葉に乗っていた。このアジサイには、4月の半ば過ぎから5,6頭のアカスジキンカメムシの幼虫がいることに気が付いていた。なので近くに行くたびに成虫はいないのかなと気にしていたのだけど、ゴールデンウィーク明けに見つけることができた。もっとも羽化していたのは1頭だけで、まだ複数の幼虫もいた。
こちらはアオキの葉の上にいた成虫。同じアオキには、メタリックグリーンの装いに変わった成虫の他に、羽化したてでオレンジ色のものやまだ黒光りする幼虫もいた。
羽化したばかりで、まだオレンジ色の成虫。下の方に抜け殻がちょっと見える。羽化した直後は次の写真のように全身が黄色あるいはオレンジ色なのだけど、時間が経つにつれ、だんだんと模様が見えてくるようだった。
こちらは羽化したばかりで、まだ模様も生じていない。近所のコムラサキの葉に乗っていた。
このコムラサキには去年の10月頃から終齢の幼虫が複数住み着いていてしばしば目にしていた。その様子は12月まで見ることができたのだけど、コムラサキの落葉とともに見失っていた。この5月になって、再び終齢幼虫を見つけたのだけど、1頭だけになっていた。
上の模様のでてきている成虫は朝の10時頃に撮影したものだけど、こちらの模様のない方は夕方の6時半ころに撮影している。模様がでてくるまで一晩くらいかかるのか、あるいは羽化する時間帯がまちまちなのか。
翌日のお昼頃に同じコムラサキを見に行ったら、すっかり成虫らしくなっていた。ただ、まだ後端の斑紋が赤くなっていないので、完了したわけではないのだろう。
冬に終齢の幼虫を見たのは12月上旬が最後で、春に見たのは4月上旬が最初だった。アオキは常緑だが、その他は落葉する低木ながら3月から新芽がでてきて4月には葉を広げている。その頃になると枯葉の下なんかで越冬していた幼虫が上ってきて、葉の裏なんかで暖かくなるのを待っていたんじゃなかろうか。
4月には他のカメムシを圧倒する頻度でアカスジキンカメムシの幼虫を見ていたものの、だんだんと見かけなくなってきた。成虫になると翅を広げて飛べるようになるから、だんだんと見つけにくくなるのは当然かもしれない。