体長に比べて立派なヒゲ(触角)をもつ、ヒゲブトハナムグリ。天気がよくて気温が上がったせいもあるのか、たくさん出てきていてブンブン飛んでいた。
ヒゲブトハナムグリは、東京では4月の下旬になると登場してくる、体長8~10mmくらいの小さなコガネムシの仲間。メタリックながら地味目の色で短めながら体毛が多い。何よりも目立つのは、トナカイのツノのような触角だろう。
ハナムグリとは関係ないのだけど、果たしてこの花はハルジオンかヒメジョオンか、ちょっと悩んでいるところ。花びら(実際にはタンポポと同様に、一つ一つが小さな花がの花弁)が弱々しく見えるので、ハルジオンかな?
運のいいことに、ヒゲブトハナムグリの♀と思われる個体にも遭遇した。♂に比べると派手目な色で、ちょっとずんぐりしていて、脚はやはり長い。♂の集団とはちょっと離れた場所に単独でいたが、ふだんは土の中にいるとか。やはり陽気に誘われて出てきたのか。
去年はゴールデンウィークの後で見たのだけど、今年は始まる前から見ることができた。こうして草花によじ登っては、ブーンと飛んでいく。マクロレンズを近づけていくと、すぐに飛び去っていく。たまに、翅をちゃんとしまわずにウロウロしているのもいた。
東京都環境局がインターネットに公開している「東京都の保護上重要な野生生物種」(本土部)2010年版の2013年5月修正版を見てみると、ヒゲブトハナムグリは23区内では絶滅危惧1B、北多摩(杉並や世田谷の西~八王子の北あたりまでの地域)では準絶滅危惧ということになっている。ただ、それ以外の本土地域(南多摩、西多摩)では危惧することもないよ、という状況のようだった。
ハルジオンの花の上。左にいるのは、アシナガコガネだと思うのだけど、ヒゲブトハナムグリの後脚もじゅうぶんに長い。ただ、太さや頑丈さではアシナガが勝っているように見えた。花の上での動きの速さや活発さは同等といったところか。
この日はたくさん見ることができたのだけど、一時的にしか目にしないムシの一つでもあるから、もうちょっと生息場所を探してみることにしよう。