イヌノフグリ

イヌノフグリ(犬陰嚢)は、オオバコ科クワガタソウ属の一種で、陽当たりのよい場所でとてもよく見るオオイヌノフグリや、ちょっとした公園の日陰なんかで蔓延り始めたフラサバソウの仲間。オオイヌノフグリやフラサバソウが文明開花と共に国内に広まったのに対し、イヌノフグリはより古くから、日本や東アジアに生息していた、ということです。

イヌノフグリ
イヌノフグリ,2016年3月上旬,東京都

公園の広場や河原なんかを見て回っても見つからなくて半ばあきらめていたのだけど、野川公園の自然観察園でようやく見ることができた。

花の大きさは3~4mmほどでフラサバソウよりも小さい。花柄も短いので、例えばよく知ってる場所に生えていたとしても、気付かないだけかもしれない。ただ、オオイヌノフグリにとってかわられ、絶滅が危惧されているほど減ってしまったということです。

イヌノフグリ
イヌノフグリ,2016年3月上旬,東京都

オオイヌノフグリなどと同じように、陽射しがないと花はしっかり開いてくれない。そのため、朝から天気のいい日じゃないと、なかなか開花した姿を見ることができなかった。とはいえ、あまり陽射しが強いとうまく写ってくれないし、困ったもんです。

イヌノフグリ
イヌノフグリ,2016年3月上旬,東京都

もうちょっと色が濃いとよく目立つとは思うのだけど、薄い青紫色というか、青みがかったうすいピンク色といった色あいで、フラサバソウよりも色が薄いように思った。

イヌノフグリ
イヌノフグリ,2016年3月上旬,東京都

株全体としては、こんな具合だった。イヌノフグリは絶滅が危惧されている稀少な植物なので、この小さな花を見るために訪れる人も多いようだった。
等倍撮影しようと思っていたのだけど、レンズ先端から7,8cmまで近寄るためにはどうしても草を踏んでしまうから諦めました。まだしばらくは花を見ることもできると思うので、通路側でスカッと開花してくれないもんかな、と期待しているところ。