3月の初めに「イヌノフグリ」という小さな草花を探していたら、よく似たフラサバソウがたくさん咲いていた。
wikipediaによれば、フラサバソウはオオバコ科クワガタソウ属の一種で、日本では明治初期に確認された、ヨーロッパを原産地とする帰化植物とのこと。
「フラサバ草」という名前は、19世紀のフランスの植物学者の二人(フランシェさんとサバティエさん)に由来しているとか。では、玉木さんと金本さんにちなんだ名前ならどうなったんだろうか、とか考えさせられる。
フラサバソウの学名は、”Veronica hederifolia“で、「ツタの葉のベロニカ」といった意味になるのだろうか。そう言われてみると、葉がツタのそれに似て見えてくる。英名も”Ivy-leaved Speedwell“というらしく、直訳した「ツタバイヌノフグリ」という名前もあるらしい。
小さな花なので、しゃがみ込んでマクロレンズで見てみないとどういう花なのかよく分からない。これは、MZD60mmを等倍に設定して撮影したものだけど、写真の幅と花の幅の比率から計算してみると、大きさはだいたい4.5mm程度ということが分かる。葉やガクに細い毛がずいぶん生えている。
近くにあったオオイヌノフグリをついでに等倍で写してみたもの。フラサバソウに比べるとずいぶん大きくて、花の大きさは8~9mm程度だった。被写界深度にも収まらない。
大きさや色を別とすれば、花びらに色の濃淡でできたスジがあること、花弁が4枚あるように見えること、オシベが2本で中央にメシベが1本立ち上がっていることなど、共通点が多い。
オオイヌノフグリは、学名が”Veronica persica“で、英名が”Persian speedwell“他であるとか。いずれも、ペルシアの…ということなのだろう。
ちょっと離れてみたところ。
日本では、イヌノフグリ(犬陰嚢)という名前だが、学名の”Veronica”という語は、ゴルゴダの丘に上るキリストに汗をぬぐうためのベールを差し出したとされる聖女ベロニカに因むものらしい。どちらがいい名前か、ということもないのだけど。