啓蟄とはよく言ったもので、木の皮や洞の中で越冬していたヨコヅナサシガメやヤニサシガメも、ぞろぞろと、ゆっくりと、姿を見せてきている。
2週間ほど前に「きょうは啓蟄です」とテレビで言っていた気がするが、3月6日頃から春分までの15日間ほどを表す言葉でもあるようだ。
コナラの木の洞からぞろぞろでてきたヨコヅナサシガメの幼虫。カメムシは不完全変態なので、幼虫と成虫の姿形はさほど変わらないから、イモムシから蛾の名前を当てるよりは簡単に身元が分かる。もっとも、ツノカメムシの幼虫などは、素人の身にはなかなか判別できないのだけど。
幼虫時代は背中の翅ができていない(小さく見えてはいるが)。もう少し体長が太く、長くなって脱皮すると、腹の周囲の白い点々がある部分が横に張り出して横綱を巻いているような外観になり、背にも翅を背負う。脱皮した直後は真っ赤で不気味。
ヤニサシガメの幼虫も、ヒノキの幹の隠れ家から陽射しに誘われて散歩にでていた。右上のピントがあってない個体はヤニっぽくていいですね。 冬の間見守ってきたので、成虫になった姿も見てみたい。
ヤニサシガメを等倍撮影してみたもの。等倍撮影というのはカメラのイメージセンサー上に映し出される大きさが、被写体の実寸と同じになるように撮影すること。これを撮影したE-M5IIというカメラのセンサーの短辺が13mmなので、このヤニサシガメの大きさは10mm前後といったところか。
レンズのピントが合う距離を、1:1で写りますよというところに固定して手持ちで撮影したわけだけど、センサーとヤニサシガメが完全に平行ではなさそうなので、実はもうちょっと大きいような気もする。こんなことができるのも、まだ動きがゆっくりな季節だからですね。