ヤニサシガメはサシガメ(カメムシの一種)の仲間で、ちょっと前に載せたヨコヅナサシガメに体型も似ている。食事をするときは他の昆虫などを口吻で突き刺し、その体液を吸う。春になると、いろいろなサシガメがイモムシを突き刺している様子が観察できるが、その様子は、まさにHunter Bugs といったところ。
ヒノキの幹で集団越冬中のヤニサシガメの幼虫を見つけたので撮影した。ヒノキの幹に、「ひのき」という札がかかっており、めくってみるとこの通りだった。
肉眼で見たときは、もうちょっと各個体が識別できたのだけれど、フラッシュを使うと、「ヤニ」サシガメの名前のとおりに、表皮の松脂(まつやに)状の物質がテカテカ光ってとても分かりにくくなってしまった。コントラストを下げたりハイライトを落としたり、いろいろやってはみましたが。
この松脂状の物質は何なのか? ヒノキの脂を身体に塗りつけているのかな。
集団で越冬しているのはまだ幼虫なのだが、冬を越すと、ヒノキや松で狩りを行い十分な栄養を付けてから成虫になる。幼虫のときには、表皮に松脂有りの方が、松脂無しよりも、エサとする昆虫を捕まえる確率が高い、ということである(検索していたら、京都大学の修士論文にそういう記述を見つけた)。
では、成虫になったときはどうなるのかな。翅ができたら、ベトベトして飛べませんよね。まだ成虫を見たことがないので、今年は見つけたいもんです。