M.Zuiko Digital 300mm F4 + MC-14 (420mm)で写してみたものをいろいろと(野鳥以外で)。
遠いもの
今のところこの組合せで恒星や星座の撮影はしていないから、太陽が一番遠い被写体になる。ND100000相当のAstroSolarというメタルフィルム状の膜をフードの前に貼って撮影した。数年前に500mmのレンズで写したときはしっかり黒点が写っていたが今回は見当たらなかったので、何かシクジリがあるのかと思って調べてみたが、1月は実際に黒点が少なかったらしい。
次に遠いものは月。皆既月食があった1月31日の19時過ぎに撮影したものなので、スーパーブルームーン状態だろう。太陽よりわずかに大きく写っているように思う。比べてみると、先に載せた太陽の方が小さいようだ。
このときはE-M1 mkIIはポータブル赤道儀に載せて月食撮影の準備中だったので、E-M5 mkIIに装着して手持ちで写した。さすがに、古レンズのReflex Nikor 500mm よりはきれいに写ります。
ISO-400、絞りf/5.6で1/1000秒でピントはカメラのオートフォーカスに任せた。レンズを上に向け、重さを支えながらマニュアルフォーカスしようとしたが、寒さもあって左手がブルブルしてしまったので。
冬は上空の飛行機がよく見えるので、ほとんど真上に向けて何度か写した。胴体の腹にNCA、翼にJA12KZと書いてあるので、日本貨物航空の成田発上海便(KZ225)で、機種は747-8Fだと思う。Flightrador.com で撮影地点上空の高度を調べてみると33000ft(約10,000m)となっていた。遠くの山などをまだ写していないので、今のところ月の次に遠い被写体。
遠くて近いもの
変な言葉になっているが、実際には遠いものの420mmでは近すぎるもの。
調布飛行場に近い野川公園や野川沿いを歩いていると、北風のときは離陸する機体が、南風のときは着陸する機体が頭上を通過していく。そのたびに飛んでいる鳥を写すつもりのカスタムモードに切り替えてタタタタッと連写したりするのだが、焦点距離420mmでは機体が収まらないことが多い。210mmならちょうどよかったのだけど。
3枚目のJA34CA(Do 228NG)は電子シャッターの連写Lを使っているせいかプロペラが捩れた。シャッター速度は1,2枚目が1/800秒、3枚目が1/1600秒。飛行機を横から流して撮る意図ではないので、被写体ブレを意識したシャッター速度を設定している。
近いもの
それほど珍しい蛾ではないようなのだけど、探すとなかなか見つからないキノカワガ。たぶん樹皮と見分けがつかずに見逃しているだけだと思うのだけど。この状態で全長が20mmちょっとだった。
このレンズの最短撮影距離は1.4mで、レンズに組み込まれているフードを伸ばした先から1mちょっと。MC-14を着けているから最大撮影倍率は0.34倍になる。M.Zuiko Digital 40-150mmPRO にMC-14を着けたときは0.3倍(最短撮影距離は0.7m)だから、更に離れた位置からより大きく写すことができる。
そういうことを意識しながらMFクラッチでMFに切換えピントリングを最短側に回し切って撮影。全長20mm程度の昆虫ならこんな具合に写るから、ちょうどよさそうである。f/8に絞って撮ったが、それでも被写界深度は6mm程度のようである。また、MZD40-150PROに慣れているので1m以内に座って撮影しようとしたが、さらに離れて構え直してしまった。
寒さのせいか、この冬の東京のロウバイは咲き出すのが遅かった。かわりに2月半ばになってもいい香りが漂っていたりする。内側に見えるオシベと、手前側の花弁にピントを合わせた2枚。マニュアルフォーカスしているうちに少しレンズが下がってしまった。いずれも絞りは開放のf/5.6。
東京にしては珍しく、1月の下旬に雪が20cm以上積もりその後も寒い日が続いた。そのせいか、フクジュソウの開花も遅れていて今頃がちょうどいいかもしれない。太陽を向いて集光する花びらの上に小さなハエ?が来ているのを見つけたので撮影。f/8に絞ったが、後ろ側がけっこうボケてしまう。キノカワガのときも思ったのだけど、深度合成を積極的に使った方がいいのかもしれない。手持ちで深度合成撮影(フォーカスブラケット8連写)も試みているが、静止しているつもりでも一コマごとに少しずれた画像がEVFに表示されてしまって長い焦点距離ではなかなか難しい。一脚でも立てれば良さそうなのだが。
ウメの花も2週間ほど遅れた感じ。日中の最高気温が15℃を超えた日、咲き始めた早咲きのウメの花に、木全体からブーンという羽音が聞こえるほどにセイヨウミツバチが集まっていた。花にアプローチしているシーンはピントが合わずすべて失敗。この写真でも、ハチにピントが合うと花はボケている。そういえば、まだこのレンズではProキャプチャー撮影を試していない。
この写真ではバッテリグリップ(PBH)を装着しているが、構えたときに重さを感じるだけで、バランスが向上する感じではなかったので使わなくなった。より軽くするためにレンズ付属の三脚座を外し、ネジの露出を防ぐカバーを着けて持ち出してみたこともあるが、今のところは三脚座を左掌の腹に載せる構えがしっくりくるし、レンズを掴みやすいからすぐに戻してしまった。
飛んでる鳥も含めていろいろ使ってみたが、だいたい30m以内の被写体に対しては万能なレンズと感じていて、外を徘徊するときにレンズ交換する機会が減った。レンズが太くて握りにくいから、外でレンズ交換したくないというのもあるのだが。