ソメイヨシノの開花宣言のあと、日曜日と月曜日は冬の冷たい雨になってしまった東京地方。その前の土曜日は晴れ~薄曇りの天気だったので、近所でアブやハチを撮影した。
菜の花にホソヒラタアブ
まずは、ホソヒラタアブの♀が菜の花にアプローチするところ。
ホソヒラタアブは周囲でホバリングしながらゆっくりと花に接近していくことが多い。そのため近いところから連写するのに好適。OM-D E-M1mkIIの電子シャッターの連写H (秒60コマ)を初めて使ってみた。S-AF + MFを使っているので、ピント合わせは手動といってもよく、絞り優先AEで絞りf/5.6、1/1250秒、ISO-500で撮影。
結果として写真のように翅が捩れて写ってしまった。ローリングシャッター現象というやつだろう。
OLYMPUSのホームページにある開発者インタビューでは、E-M1 mkIIの電子シャッターの読み出し速度(メカシャッターでの幕速相当)は、E-M5 mkIIの3倍以上になったと書いてある。このあたりの数字を探ってみると、E-M5 mkIIのフォーカスブラケット撮影時にフラッシュを使う場合のシャッター速度は1/20秒より遅くしろとあり、E-M1 mkIIの電子シャッター使用時のシンクロ速度は1/50秒が最高のようだから、おそらくイメージセンサーの全列露光と読出しに要する時間は1/20の3倍速の1/60秒を上回る程度なのだろう。連写Hで秒60コマが可能なのだから、1/60秒より遅いことはなさそうではある。
ホソヒラタアブのような小型のアブが翅を動かす速度は分からないが、上下動の周波数は200Hz以上のようだから、イメージセンサーの全体分の露光と読出しが完了するまでに、翅は3~4往復していることになる。ただ、上の写真でアブの翅が写っている部分は高さ方向で全体の20%程度だから、翅がかき消えることはなく、上または下への動きに合わせて順次露光され、実際とは異なる形状に写ってしまった、ということだろか。
参考用に、以前にE-M1無印のメカシャッターの連写H(C-AF、秒9コマ、f/4, 1/3200秒,ISO1600)を使って写したもの。飛んでるアブを撮るならばメカシャッターを使うべきのようでメカシャッターの連写H(秒15コマ)も使ってみよう。蝶の飛翔でも試してみたいところ。
オオアラセイトウにセイヨウミツバチ
オオアラセイトウの花粉を集めるセイヨウミツバチを、Pro Capture L (C-AF、秒18コマ、f/4.5, 1/2500秒,ISO-640)を使って撮影。Pro Capture L では半押し時14コマ、全押し時18枚の32コマが残るように設定している。全押し後に1秒間分の連写ということ。
花にとまっていたミツバチが飛び立った瞬間を写すためにProCap連写を使った。前脚で顔を拭いたりパッと拡げてみたり、なかなか愛嬌がある。アブと違って定位置でホバリングしてくれないから、ふつうの連写ではなかなかうまく捉えられなかったのだけど、ProCapを使うと至極簡単。あまりはっきり見えないものの、電子シャッターゆえにこちらも翅が捩れてしまっているのが残念。仕方ないのだけど。
ProCap連写の低速側(とはいえ18fpsだが)は、AF追従可能なのでC-AFを使ったが、たまたまグループAFターゲットの1つにハチを捉えてくれていた。ただ、こういう小さいものを相手にしていると、グループターゲットではなかなか思い通りの位置にAFしてくれないのが困りもので、あらかじめレンズのピントリングを回してフォーカスしたい場所を教えてやりたくなるし、AFターゲットを中央1点のみにしておきたくなる。ただ、中央1点の場合、花から離れた瞬間にハチがボケてしまうから、そうもいかない。
もう一つ困っているのが、後からRAWファイルを見直したとき、ProCap-LなのかHなのか、あるいはタダの連写なのか、撮影したときに使った設定内容が分からないこと。たぶん、どこかに情報は入っているのだろうとは思うのだが。せめてOLYMPUS Viewer3では、撮影時のフォーカス位置とともに分かるようにしてくれないものかな。