キキョウの花

今年の7月に見たキキョウの花。キキョウ(桔梗)は秋の七草の一つに数えられているが、東京地方では6月の下旬ころから花の時季が始り、8月半ばには終わってしまうように思う。もっとも、昔の「秋」は現在のコヨミでは8月上旬から始まるから、秋の花と言われれば、そうなのかなということになる。

キキョウ
キキョウ,2016年7月下旬,東京都

もうすぐ開きそうなつぼみ。英語では balloon flower と呼ぶように風船に似ている。子供のころを思い出すと、野山でキキョウのツボミを見つけては指でつまんで潰していたような気がする。今は公園や園芸店や民家の庭先でしか見なくなったので、とてもそんなことはできませんが。

キキョウ
キキョウ,2016年7月中旬,東京都

開いたばかりのころ。今回、似たような写真ばかり載せたのは、キキョウの花が開いてから性転換していく様子に興味をもったから。

開いてすぐのときは、花柱の周りをまだ花粉を吹いていない5本のオシベが固く囲んでいるのが分かる。

キキョウ
キキョウ,2016年7月中旬,東京都

もう少しすると、オシベの先の葯(やく)から花粉を吹き始め、雄花として機能するようになり、花粉を求めにくる昆虫が集まり始める。この時点では、この花のメシベはまだ活動していないので、自分の花粉で授粉する(自家受粉)することはないのだろう。

キキョウ
キキョウ,2016年7月中旬,東京都

中央の花柱に花粉は残っているが、オシベの花糸は倒れてしまっている。そろそろ♂の時代は終了か。

キキョウ
キキョウ,2016年7月上旬,東京都

花柱についていた花粉はほぼなくなり、中央の花柱が割れ始め、♀の時代に入りつつある。

同じ株であっても、先に咲いた花から順に♂の時代、♀の時代を過ごすように見えた。とすると、同じ株であっても花が違えば受粉をいとわず、ということなのだろうか?

キキョウ
キキョウ,2016年7月中旬,東京都

こちらも同時期で、花柱の先が開き始めている。同じ花を時間をおいて写しているわけではないので、天気や状況によって色が違っているのがすこし気になるところ。

おおむね、OM-D E-M5IIとMZD60mmマクロを使っているが、E-M1にMZD40-150PRO + MC14も使った。キキョウの花ほどの大きさならば、マクロレンズ使うこともないかな、というのが最近の実感です。

キキョウ
キキョウ,2016年7月上旬,東京都

花柱の先がはっきりと5つに割れている。この時点では花粉は残っておらず、倒れたオシベの痕跡も消えつつある。

キキョウ
キキョウ,2016年7月中旬,東京都

花柱が割れてメシベとして機能しているのだろう。すでに花粉も付いているようなので受粉済なのかもしれない。花柱の根元が膨らんできている。

そういえば受粉した後どうなるのか、を記録していなかった。花がしおれてしまうと、どうしても関心が薄れてしまうのだけど、まだ咲いているだろうから週末にでも探してみようかな。