7月の中旬に都内の公園でサガミランが咲いているのを見た。サガミランはラン科シュンラン属のマヤランに似た花でおそらく近縁種と思う(適当な文献が見つからない)。サガミランもマヤランと同様に「根も葉もない」植物で、地下茎内部に住む共生菌から養分を得ているのだろう。
マヤランと姿や形は似ているが、サガミランの花やツボミは緑がかった白色で、マヤランのような赤い模様ははいっていない。大きな群落にはなっておらず、ちょっとさびしい感じ。
マヤランは、コナラやイナシデといった武蔵野地域の雑木林を残した公園につきものの樹木の近くの薄暗い場所に育って咲いているのだけど、サガミランも同様と思う。とはいえ、なかなかこちらに遭遇することはないのだけど。
素人考えになるが、コナラ、クヌギ、イヌシデといった落葉樹の落ち葉や根が共生菌の活動に影響しているのだろう。このあたりがそろった公園はいくつもあるので、実はあちらこちらでひっそり咲いているかもしれない。
マクロレンズでちょっと近くから。アリが上ってきていた。
根元の方からも花茎が分岐し、小さな花が開こうとしていた。
暗い場所なのでいずれもフラッシュを使っているが、だいたいこんな色だったように記憶している。もっとも、表示される色はデバイスによっても変わるし、現場で花を見たときの自然光の強さや天気によってもヒトが受ける色の印象は変わってしまうのだけど。
マヤラン
こちらは比較のために、去年見たマヤランを載せた。ちょっとフラッシュが強かったか。今年も咲いていたのだけど、タイミングが合わず一度しか撮影できなかった(今年のものはこちら)。もっとも、サガミランを見た近くでも咲いていたのだけど、蚊がうるさくて立ち止まらなかった。
いずれも茎の色は緑色なので、葉緑素をもち光合成しているのかもしれない。
シュンラン
いずれもシュンラン属ということで、3月に見たシュンランも載せておくことにした。立派に葉を繁らせた大きな株になっていたが、wikipediaによると、シュンランも葉の光合成の他に地下の根に住む共生菌から養分を得ているとのこと。林床に咲くランということで、マヤランやサガミランと雰囲気が似ているが、花も大きく茎も太く、なにより明るい場所に咲いてくれるので助かる。