東京の都市部では比較的珍しいサナエトンボの仲間を2種。
水辺を歩いていると、トンボがテリトリーの見回りを繰り返していた。だいたい同じような場所に着地するのだけど、そのたびごとに向きが変わる。おかげで斜め前、ほぼ側面、斜め後ろの各向きから撮影することができた。
横から見ると、目玉や胸部がまるでペイントしたかのように鮮やかな緑色をしているのがよく分かる。こういうトンボはアオサナエしかいないだろう。影のでき方から分かるように、逆光気味なのがちょっと残念。E-M1にMZD40-150PRO + MC-14の210mm端で撮影したが、蝶に比べるとトンボに近づくのは厄介なので(おもに水辺だから)、もうちょっと長いレンズを使いたくなる。
斜め後ろから。尾部から♂だと分かる。飛んでいるところも撮影しようとしたものの、すべて不採用な結果に終わる。せめてピント面を手動で合わせてからC-AFを開始できるようにならないものか。MFで置きピンして連写した結果に期待するのは卒業したいところ。
やはり水辺を歩いていると、サナエトンボの仲間らしきトンボを発見。水上の木杭を根拠地にして、他のトンボや蝶がきたり人が近づいたりすると、水の上を一回りして元の場所に戻る行動を繰り返していた。210mm端では短いものの、水に落ちても困るなとかビビリながら水辺に寄って撮影。この時点では種名は判断できなかった。
レンズを向けたのが気になったのか、ちょっと場所を変えて樹木の葉にとまってくれた。目玉は隠れてしまったものの、特異な形状の尾部付属器がよく見える。黒地に薄い水色で他のサナエトンボの仲間よりもずんぐりした印象から、ホンサナエの♂だろうと判断した。
こちらは4月の終わりに撮影できた、ホンサナエの♀と思われる個体。川から少し離れた林縁部にいた。残念ながらこの角度からしか撮影できなかったので、果たしてホンサナエなのかどうか確信は持てないのだけど、胸部の模様や近くで♂を見ていること、ずんぐりとした印象などから判断した。先に載せた♂に比べると紋様が黄色く見える。
参考情報
『「東京都の保護上重要な野生生物種」(本土部)~東京都レッドリスト~2010年版』の2013年5月修正版によると、
- アオサナエは23区内でEX(絶滅)、北多摩地域でVU(絶滅危惧Ⅱ類)
- ホンサナエは23区内でCR(絶滅危惧ⅠA)、北多摩地域でVU(絶滅危惧Ⅱ類)
となっている。いずれも北多摩地域で撮影したが、トンボの生育環境が維持されていけばいいのだけど。