クロスジフユエダシャクの動画と交尾

クロスジフユエダシャク
クロスジフユエダシャク,2015年12月上旬,東京都

11月の20日過ぎにクロスジフユエダシャクがヒラヒラ飛ぶのを見て以来、クヌギやコナラの森をしばしば訪れた。朝から晴れているようなときは、だいたい朝の9時半くらいから午前中いっぱいヒラヒラヒラヒラ飛んでいる。飛んでいるのはすべて♂であり、交尾の相手の♀を探索しているのだろう。
こちらはヒラヒラ飛ぶ♂を目や足で追いかけて、どこかにとまる度にそこらに♀もいるんじゃないかと目を凝らすのだが、なかなか見つからない。数分間ヒラヒラ飛ぶと、草や枯葉につかまって休憩するようだった。

クロスジフユエダシャク
クロスジフユエダシャク,2015年12月上旬,東京都

蛾が休憩するたびに撮影していたのでは、すぐに同じような写真が数百枚たまってしまうので、横からだったり腹の側からだったりするような場面を選んで撮影していたりした。翅の表側から写したものは、ちょっと前に11月の蛾の一種として載せた。

ヒラヒラ飛ぶ様子を動画に残しておこうと思っていたのだけど、マクロレンズの比較的狭い画角ではレンズを振り続けねばならず、あとから見ると船酔い状態になってしまう。この動画は、比較的狭くて地面に近い場所を丹念に探索する♂を撮影したもの。そういえば、動画撮影時には24p ALL-Intraというモードを使っている。E-M5IIでは、このモードが一番きれいに写るようである。

この♂は、♀の出すフェロモンをキャッチしたんだろうなぁ、と思って期待して見ていると案の定で、しばらくすると枯葉の裏に潜り込んでいった。

クロスジフユエダシャク 交尾
クロスジフユエダシャク,2015年12月上旬,東京都

枯葉の裏を覗きこんでみると、素早く交尾を開始していた。このペアには悪いんだけど、都合のいい場所に葉っぱを持ってきて、しばらく撮影させてもらった。少々のことでは離れない。

クロスジフユエダシャク 交尾
クロスジフユエダシャク,2015年12月上旬,東京都

♂がピンボケになるのも構わず♀に集中。♀には飛ぶための翅はなくて、胸部に翅の名残のような小さな器官が残っている。腹の太さが全然違うのは、卵を抱えているからだろう。

今回は、左手にオリンパスのFL-300Rという小型フラッシュを持ってRCモードで撮影してみた。ちょうど♂の翅が太陽光を遮る位置だったので、カメラ対して左側からフラッシュ光をあてた。
右手にカメラだから左手に持つしかないので、常に左側からになるのは当然かな。買値が1万円程度で、電池を入れても100gちょっと、ジャケットのポケットにすっぽり収まる製品なので負荷にもならない。もっと早く導入していればよかった。