OM-D E-M5IIのフォーカスブラケット

2015/11/26に、OM-D E-M5IIやE-M1の新しいファームウェア(E-M5IIがVer.2.0、E-M1がVer.4.0)が公開されたので、早速E-M5IIに適用してみた。
ファームウェアの適用は、「オリンパスデジタルカメラアップデータ」というソフトウェアを使って行うが、E-M5IIにはめていたMZD60mm F2.8についても新バージョンが検出されたので、あわせて更新した。

新しく追加された、フォーカスブラケット機能を早速試してみた。

設定など

フォーカスブラケット撮影を行う際には、MENUから「撮影メニュー2」の「ブラケット撮影」を選ぶ。その中に、「Focus BKT」が追加されている。

フォーカスブラケット1

フォーカスブラケットのパラメータとしては、撮影枚数とフォーカスステップ、および、フラッシュ充電時間がある。
撮影枚数は、一度のレリーズで連続して撮影する枚数の指定で001~999枚(RAW+JPEGの場合、この倍の数のファイルができる)。連続撮影時のピント面の移動の度合いを指定するフォーカスステップは1~10(小~大)。フラッシュを用いて撮影する場合の、フラッシュの充電待ち時間は0~30秒の範囲で指定できる。詳しくは、Ver.2.0用に更新されたマニュアルの169ページを参照のこと。
フォーカスブラケット2
フォーカスブラケットを有効にしている場合、撮影時のライブビューやEVFの右下に表示される撮影可能枚数は、ブラケット枚数を勘案した数字になる。例えば、ブラケット無しのときに残り1050枚となっていたものが、撮影枚数を15にしてブラケット有効にすると、残り70枚になる。数字がいきなり減っていて、ちょっと焦った。

撮影と結果

フォーカスブラケットを有効にすると、自動的に静音モードの連写H(電子シャッターによる連写モード)に切り換わり、これは変更できない。連写Hのコマ数は、出荷時設定の秒11コマとした。その他のAEモードやISOや絞り、シャッター速度などは好きなようにできるようだった。
ただし、「フラッシュ撮影は、シャッター速度を1/20秒以下にして行ってください」とマニュアルに書いてある。1/20秒以下というのは、より遅いシャッター速度という意味だろう。電子シャッターの読出しに依存した話なのか。

モチベーションが低下して放置中のESP8266 WROOM-02のブレイクアウトボードを被写体とした。MZD60mm F2.8を使い、撮影距離30cm程度で撮影した。ブラケットの設定は、フォーカスステップ6で15枚撮影。撮影を開始すると、ピント面は手前から奥に、指定のフォーカスステップずつ動いていき、約1.5秒で終了する。

フォーカスブラケット 手前基板の前端にピントを合わせてレリーズボタンを押下。
撮影パラメータは、ISO500で絞りf/4, 1/20秒。絞りを開けて使ったのは、野外でのブラケット撮影時には、たぶんフラッシュを使わないことが多いだろうから。
とはいえ、f/4で30cmのときの被写界深度幅は2mmである。15連写(1.5秒程度)中は静止しておく必要があるのだが、これはこれで厳しそうではあるが。

フォーカスブラケット 奥これが15コマ目の画像。

基板(青い部分)の長さは約5cmである。ブラケットのコマ数をあまり大きくしても後処理が面倒になるので、これは15枚とした。フォーカスステップを変えながら何度か試したが、ステップ6で捉えたい領域をカバーできた。

フォーカスブラケット 合成後15コマのjpegを、CombineZPで深度合成したもの。基板全体の文字が読める程度に深い深度をもつ結果を得られた。

今回ちょっと使って思ったのは、フォーカスステップによるピント面の移動幅と、(仮想的な)被写界深度内に収めたい被写体の長さ、撮影距離との関係を、早いところ覚えないとイカンな、ということ。
雑に考えると、今回、5cmほどの距離を15コマで撮っているので、1コマあたりのピント面移動は3.33mmになる。被写界深度の幅が2mmなので、合成結果には1.33mm×15のピントの合っていない領域があるのかもしれない。
これは、小さいものをいろいろな距離から撮ってみて、うまいパラメータを覚えていくしかないような気がする。そういえば、Olympus View3でもって深度合成できるようにしてくれませんかね。