テングチョウ

テングチョウ(天狗蝶、Libythea celtis)はタテハチョウの一種で、東京地方では3月の半ばから11月頃まで目にする。よく見る蝶の一つではあるのだけれど、かつては絶滅が危惧されていた。テングチョウ10月初旬、シオンの花の蜜を吸いに来ていた。
この蝶は成虫で越冬し、桜の花が気になりだす3月の半ば頃に姿を見せ始める。以前、越冬明けと思われる個体の写真も載せた。
そして、だいたい5月の半ばから下旬に、その子供が羽化するようだ。その後は7月半ば頃まではあちらこちらで目にするが、盛夏のあいだは姿を消してしまう。10月になって涼しさを感じるようになると、また現れる。

テングチョウこちらは6月初め頃に見たもの。しょうしょう翅が傷んでしまっている。見た目で判断する限り、東京では年に2回ほど羽化しているように思う。

テングチョウテングチョウという名前の由来は、ごらんのとおりに鼻が長いから。鼻に見える部分は下唇髭と呼ばれる器官で、他の蝶や蛾にも、長さの違いはあっても備わっている。テングチョウの鼻がなんで長くなったのかは不明。

テングチョウ下唇髭でもって、蜘蛛の糸を持ち上げているところ。こういうことをするために、長くなったわけではないと思うが。