すっかり夏色に焦げたベニシジミをよく目にするようになった。春に羽化した成虫を春型、夏のものを夏型などと表現するが、夏型は春型に比べて翅の表側の色が濃い、というか、黒ずんで見える。
ベニシジミ (紅小灰蝶, Lycaena phlaeas) は幼虫で越冬し、東京では3月の終わりころから成虫が姿を現し始め、場所によって多い少ないの波はあるものの、11月下旬までコンスタントに見ることができる。
幼虫で越冬すると言っても、暖かくなったらすぐに蛹になるわけではなくて、幼虫が食べる草(スイバやギシギシといったよくある植物)が芽を伸ばして、それなりに食事ができてからになるのだろう。摂食量の違いによるのか、春の方が大きさのバラつきが大きいように思う。
1枚目と同じ個体を近くから。シジミチョウ全般に顔がカワイイと思う。季節との関連は薄いかもしれないのだけど、夏の方がレンズを近づけても飛び去る率が低いような気がする。
こちらは春に見たもので、翅の表側の暗色の縁取りも細い春型。ちょっと近づくとすぐに逃げてしまった。
同日に見た交尾中の春型の2頭だが、おそらく右側が♂で左側が♀だろう。羽化して間もないのか翅の傷みがほとんどない♀に対して、♂の翅はけっこう傷んでいる。百戦錬磨?の♂がお相手の羽化を待ち構えていた、というところかな。大きさもかなり違うのが分かる。