前の土曜日に、樹液の出てる木を求めて朝からうろうろしていたところ、ちょっと早めのノコギリクワガタに遭遇した。
ノコギリクワガタ (鋸鍬形, Prosopocoilus inclinatus)と言えば、大顎が湾曲して迫力のある姿をしているものなのだけど、この日は大顎も小さく体長も小さな個体。遠目には、バランスの悪いコクワガタに見えた。
なにせ、大顎の大きさが人差し指の爪くらいしかなく、体長も30mm未満という可愛さ。
聞いた話では、幼虫でいる間の平均気温が高いと、体長が小さいままで蛹化してしまいやすいとか。平均気温が高いということは土中も暖かく、蛹化のきっかけとなる熱の総量値が早く積みあがってしまう。あるところまで積みあがると、成長の度合いに関わらず蛹化を始めてしまうので、結果として小さな成虫が生じるという話だった。体長の小さなノコギリクワガタでは、こういう具合に大顎が大きく発達せず、反り返りもしない、「原歯型」と呼ばれる形態になることが多いらしい。樹液に夢中で逃げられる心配もないので、こちらもレンズをMZD9-18mmに交換し、9mm端でなるべく近づいて撮影。やはり、7-14mmとか使ってもっと寄って大きく写したいとか思ってしまう。今のところ、山歩きもしないから、新しく買っても大して使い道もないよね、とか納得してはいるのだが。
家で昆虫を飼う趣味はないので、この日はこのまま立ち去った。果たしてこのクワガタは、少年たちに確保されてしまったのかな、とか思いながら帰宅。