オナガバチの産卵風景

オナガバチ (尾長蜂) は、ヒメバチ科オナガバチ亜科に属する蜂の種類の総称で、メスは体長よりも長い産卵管を備えている。この産卵管を朽木の穴に差し込んで産卵し、木を食べる昆虫(カミキリムシなど)の幼虫に寄生させる。オナガバチの幼虫が成長する過程で寄生される側は食われてしまうので、結果として木材の内部を食い荒らす虫が退治される。なので益虫とされている。
オナガバチ ♀木道用に切り出されたと思しき木材の近くで休むメス。体長25mmほどだが、産卵管は見えている部分だけでも40mm以上あった。
残念ながらこの蜂の名前は分からず、ヒメバチに関する唯一の資料的なサイト( Information station of Parasitoid wasps ) を見ていっても、絵合わせ的に合致する種は見つからず、「ニトベオナガバチに似た種(Epirhyssa sp.)」というのが近いかなという印象。あくまでも素人目なので実際は分かりませんが。

オナガバチ ♂こちらは同種のオス。
オナガバチ自体が穴の中に住む幼虫に寄生しているわけなので、オナガバチも木の穴の中で成長しやがて外にでてくる。メスに比べると特徴もなく地味な(?)オスなのだが、メスが出てきそうな穴の周りに大量に群れて子孫を残すチャンスを待っているように見えた。折り重なるように群れており、あまり気持ちのよい絵づらではなかったです。オナガバチ ♀産卵管を穴に差し込んでいるところ。尾の手前あたりから出ている管が、腹にそってゆるくカーブを枝きながら足の下の木材に突き刺さっている。脚が長くないとこういう姿勢はとれませんね。
オナガバチ ♀産卵する集団の風景。カメラを構えている周りをワンワン蜂が飛んでいるのだけど、ヒメバチには刺されないと信じて撮影。
この木材の山の上には、ヒゲがとても長いヒメヒゲナガカミキリが1頭佇んでいたが、何が行われているのか気づいていたかな。