デーニッツハエトリ

このところ、天気がよい日はハエトリグモをよく目にする。今回はデーニッツハエトリ。
デーニッツハエトリネコハエトリに比べると若干大き目で、今回見たものは体長が8~9mm程度だった。また、前から見たときネコハエトリほど毛深くはない。雑木林の中の遊歩道の柵の上で、待ち伏せ中か日光浴中だった。日中はなるべく太陽光で写したいので、日なたにいてくれると助かる。
デーニッツハエトリ

目がクリッとしてかわいい。そういえば、ハエトリグモの目の色はときどき変化する。片目の色だけゆるゆると変えて見たり、両目同時にサッとかえてみたり。
ハエトリグモの正面2つの単眼には、レンズに対して網膜の位置を動かすような機能があるらしく、外から見てると色が変わるようだ。また、網膜自体も多層構造になっていて、ピンボケの量を認識することで、対象物までの距離を得ることもできるらしい。大したもんです。詳しくはピンぼけ像を利用したハエトリグモの奥行きの知覚 を参照のこと。

デーニッツハエトリという名前は、ドイツ生まれの医師フリードリヒ・カール・ヴィルヘルム・デーニッツ (Friedrich Karl Wilhelm Dönitz)にちなんだもの。デーニッツは、明治六年に来日し、日本の医学の近代化に大きく貢献するとともに、日本産の蜘蛛やムカデの収集を行い、膨大なコレクションを持ち帰った、ということです。
ドイツのwikipediaのページに、デーニッツさんが遺した日本産クモの論文の挿絵と思われるイラストがあったので、リンクを貼っておきます。

Japanese-spiders-Dönitz-Boesenberg-1909-Tafel4
果たしてハエトリは入っているのでしょうか。