ビロウドツリアブは長めの毛に覆われた丸っこいアブの仲間で、東京では3月の初旬くらいから4月の半ば過ぎあたりまで見ることができる。言い換えれば早春にしか見ることができない虫の一つ。
「ツリアブ」という名前は、ホバリングによって空中に浮かんでいる姿が吊り下げられているように見えるから、ということらしい。他にも空中静止するアブはいるように思うのだけど。
ビロウドツリアブの特徴は全身を覆うビロード風(?)の毛と長い口吻で、上の♂の口吻には花粉がこびりついている。これで大きければ迫力があるのたけど、実際には体長10mmもないくらいなので、とても可愛い。
セントウソウにきた♀。翅をバタバタやっているが、脚も花についているから、ホバリングしているわけではなさそう。
オオイヌノフグリで吸蜜する♂。口吻をしっかり差し込んでいる。こちらは脚が花に触っている程度なので、ホバリング中といえるか。
ハナニラの花に♂。しっかり花につかまって、翅を休めている。ハナニラに来る虫はあまり見ないので、珍しいなと思った。
フデリンドウに♀。小さなフデリンドウの花も、ビロウドツリアブには深いのだろう。翅をバタバタしつつも落ち込みそうになっている。前かがみになるときには、いつも翅を動かして浮力を得ているのかもしれない。
このビロウドツリアブという虫もなかなか敏感で、無造作に近づこうとすると、瞬間移動してしまう。たいていは、MZD40-150PRO+MC-14を使って撮影しています。