ナガヒラタムシ
今年(2020年)の7月はじめに公園内の道を歩いていたら、アジサイの花の中に何か暗い色のムシがいた。
肉眼の視力がかなり悪くなったこともあり、当初は小さなカミキリムシやジョウカイボンの仲間か、それらのダマシやモドキかな、と思っていたのだけど、撮影結果を拡大して見てみると、翅鞘全体に点刻があって、網目に見えなくもない外観から初見のコウチュウだと分かった。
よく見てみようと思って、つまみ出して明るいところに移動したところ、死んだふりをしたまま動かなくなった。
しっかり脚をしまってピクリともしないので、やっちまったかなと思ったのだけど、風が吹いて転がりそうになると脚を伸ばしたりしたので安心した。
分類学上は、鞘翅上目コウチュウ目ナガヒラタムシ亜目(始原亜目)ナガヒラタムシ上科ナガヒラタムシ科 に属しているそうで、古生代三畳紀あたりの地層から類似種の化石が見つかるほど起源が古いらしい。「始原亜目」という分類名もコウチュウ類の始祖みたいな意味合いなんだろう。
体長は12mm程度で触覚が長い。イカが触腕を伸ばしているようにも見える。
ついでにラクダムシ
歴史が長いということで、以前に近所の道ばたで写したラクダムシの写真も載せておきます。
ラクダムシは脈翅上目ラクダムシ目ラクダムシ科に分類されていて、類似種の化石が2億年前(ジュラ紀)の地層から発見されているほど、やはり起源が古い。コウチュウの先祖は脈翅系の昆虫という説もあるようなので、現代の姿はまるで違うものの、ナガヒラタムシの祖先とラクダムシの祖先は実は近い関係にあったのかもしれない。
道ばたのムシに歴史アリですよ。