2018年と2019年に写したミドリシジミの写真を何枚か。
ミドリシジミを見ることができるのは、東京では5月の下旬から梅雨の初期までの短い期間に限られるから、その生息地では小さな蝶に大きなレンズを向けるミドリシジミファンでにぎわう。そして、きれいな光沢を見せるオスの開翅シーンを求めてウロウロすることになる。
オスの開翅シーン
やや後ろから見ると、エメラルドグリーンの輝き。
斜め前から見ると、緑がかった青といった色。
正面からは、緑というより青い。
後ろからだと残念ながらきれいな色はでてくれない。
見る角度によって色が変わって見えるのは、翅の表面の鱗粉の微細構造と翅に対する光の入射角によって決まるらしく、「構造色」と言い表されている。「ミドリシジミ亜科2種の上層鱗に見られる構造色について」という論文に書いてあります。
メスの開翅シーン
メスのミドリシジミは翅を開いても地味である。しかしながら、前翅に斑紋が出ていることもある。
オレンジ色の斑紋。これは構造色ではなく鱗粉または地色なのだろう。よく見ると、翅の付け根にわずかに青い鱗粉ものっている。
青い斑紋。付け根から外縁に向かって青い鱗粉が2列伸びている。前側(写真では上側)の鱗粉の先には色の薄くなった斑紋がある。
紋なし。特に色の変わった斑紋はないが、1枚目や2枚目と比較してみると、上の色違い部分は翅脈に囲まれた特定の位置にあるようだ。羽化後の時間が経過するつれ、擦れて色が落ちてしまうのかも。
ミゾソバの葉の上でアピールする。
クリの花で吸蜜。草花で吸蜜しているところは見たことがない。
ノリウツギで吸蜜していた個体が休憩中。
梅雨になって出かけるのが億劫になってきたが、場所を選べばあとひと月くらいは撮影できるだろうからもうちょっと見に行ってもいいかな。
撮影にはOM-D E-M1mkII + MZD300mm F4.0 (MC-14付き)を使っていて、マクロ(的な)レンズとしても超望遠レンズとしても重宝している。