河原の草花に目をやりながらゆっくり歩いていると、しばしばトビケラの仲間を目にする。
よく目にするトビケラで、翅は黒く、白黒シマシマの触角(ヒゲ)が長い。また目玉が赤い。写真の状態で、頭の先から翅の先までの長さが10~12mmといったところ。こういった情報から探してみて、ヒゲナガトビケラ科のアオヒゲナガトビケラ(青髭長飛螻蛄)と推定した。
ただ、天気のよい日にチガヤか何かの植物の葉にとまっているところを見ても、翅は青くは見えない。薄い翅の下に明るい緑色の葉が透けて見えているせいかもしれないが。
特徴としては、なんといってもヒゲが長い。また、前脚(かどうか分からない)がタイコウチの前脚のような一対のカマに似た形状。接近して撮影しようとすると俊敏に飛び去ってしまう。一応、別の日に別の場所で撮影した2枚を並べてみたが、同じような姿勢のものが多い。
ニンギョウトビケラ科のニンギョウトビケラという種。淡褐色で触角が太く頭部が毛深い。頭の先から翅の先までの長さが15mm弱といったところだった。
陽射しの裏側にいたのだけれど、逆光状態で黒く潰れてしまうので、少し葉をひねって撮りやすくした。この個体は逃げずに素直に写ってくれた。
下を向いていた別の個体。触角をそろえて伸ばしていると、太くて長い鼻をもつ別のムシにも見えた。
ニンギョウトビケラ(人形飛螻蛄)の仲間は、水中で生活する幼虫時代に、砂や小石を集めて水底に巣をつくる。そして、幼虫は巣を背負って移動し、サナギになる前に流されないように岩や石に巣を固定するらしい。その巣の形がヒトに似ているということで、巣のことを石人形とよび、この種のことをニンギョウトビケラというそうな。
名前の由来や石人形のことは、山口県岩国市の石人形資料館のサイトを参考にした。この資料館では、さまざまな石人形の展示や、関連商品の販売を行っているらしい。知らなかったなー。
ちょっと大きめのトビケラで、頭から翅の先までが40mmといったところ。遠くからでもすぐに気が付いた。ヒゲナガカワトビケラ科のヒゲナガカワトビケラ(髭長川飛螻蛄)。
ヒゲナガトビケラ科のアオヒゲナガトビケラには、「カワ」という語が含まれていない。ヒゲナガトビケラとヒゲナガカワトビケラとでは科も違っており生態も異なるらしい。
トビケラについては成虫よりも水中で過ごす幼虫の生態を観察するのが面白そうである。ただ幼虫を撮影するには、水中カメラが必須だしし、川に入る勇気も要る。連れて帰って水槽に入れておくと失敗しそうだし、あまり深入りしないことにする。
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