2016年も立春を過ぎ、春一番の日には東京では5月上旬なみの気温になった。ちょうど中旬にさしかかったあたりで冬が終わり、早春のフユシャクが主役になったような気がする。
もっともポピュラーなウスバフユシャクのペア。日暮れ時に歩くとまだ目にするが、ずいぶん少なくなってきた。当たり前のように目にするので、遭遇しても撮影しないことがあるのだけれど、この年はいつからいつまで、ドコドコで目にした、という記録の意味もあるから、さぼらないようにしなければ。
この写真の♂は横線が曲がっているように見えるが、翅の外縁に平行しているからウスバフユシャクと推定。
こちらは1枚目のペアのすぐそばにいた、クロテンフユシャク。大きな黒い点の外側あたりで、横線がクッと曲がっている。
1月から目にしていたが、2月~3月初旬くらいが旬(?)ではないかな。
朝、自然光で撮影したクロバネフユシャク(シロオビフユシャクかも)。光の反射で白くなってしまった。あまり目にしないのだけど、1月から2月にかけて遭遇することがある。
絞りつつ自然光で撮影しようとするときは、OM-Dの静音モード(電子シャッター)を使うのだけど、シャッター速度が1/20秒まで下がるっていうのは、いくら手ブレ補正に自信ありといっても厳しいような気がする。いつもいつもちゃんと構えて撮れるわけではないから、ISO-AUTO範囲内でのシャッター速度の下限値を設定できると助かるんですが。
翅の下に♀を隠してるんじゃないかなと思って指で突くと、死んだふりをしてひっくりかえった。手ブレピンボケ写真になってしまったが、後翅の裏側が白くてきれい。
この2枚は同じ個体で、場所や時季からシロフフユエダシャクの♀だろうと思うのだけど、よく分からない。腹一杯にタマゴを抱えているのだろう。
上から見た方の翅の部分を見ると、前翅、後翅あわせて4枚の翅が見えていて、それぞれの長さはあまり変わらない。
いずれもヒロバフユエダシャクの♀で、春一番の吹いた日の午後6時半過ぎに撮影。この日は前日から気温が上がったせいか、激しい雨風があがった後、いろいろな昆虫を見ることができた。
ヒロバフユエダシャクもぞろぞろ出てきていたようで、明るいうちにいくつか、午後6時半過ぎには5,6頭の♀♂を確認できた。しかし残念なことに、交尾中の姿を確認できず。
昼間見る姿と違って、日が暮れて繁殖態勢に入った♀は、触角をピンと伸ばし、小さな翅を一杯に拡げていてカッコいいのである。
上の3枚は、いずれもヒロバフユエダシャクの♂。やはり春一番の吹いた日に撮影した。最初の2枚が昼の2時頃で、3枚目は午後6時過ぎに撮影。
春一番は激しい雨も伴っていたが、サクラの木の樹皮の隙間や、樹皮に生えたコケの間に身を潜めて雨を避けていた模様。サクラの幹の雨に濡れていない側を見ながら30分間ほど歩いたところ、♂を3頭見つけることができた。
これら3枚はいずれも異なる個体で、横線の濃淡や太さ、うねり方が違っているのが分かる。3枚目は出動態勢?に入っていて、♂らしいクシ状の触角も見えている。
朝の公園を歩いていたら、木柵の上に小さくて翅のついた白く光る生物を発見したので近寄って撮影。当初はアブか何かが光っているのかと思った。掲載した写真とは別の、等倍で撮影したものを測ってみると、体長は8.5mmといったところ。
マクロレンズを通して見ていたときには、フユシャクの♀の何かだろうかと思っていたのだけど、PCに取り込んで大きくして見ると、なんとも翅がきれいでよく見るような色合い。外縁には毛が密生していてその内側には白いフも入っている。以上から、羽化したばかりのシロフフユエダシャクの♂だろうと推定した。
羽化した直後の蛾の翅はずいぶんと延びるようで、前に見たオオミズアオも、最初はまるでフユシャクの♀なみ(?)の翅だったことを思い出した。