フユシャク亜科からいくつか

去年あたりから「フユシャク」という蛾の写真なんかをブログに載せるようになったのだけど、この「フユシャク」という言葉については、「日本産フユシャクWEB図鑑」に以下のようにまとめられている。

冬期に出現するシャクガ科の蛾の総称で、主な特徴として♀の翅が退化(むしろ進化といったほうがよいだろうか)して縮小するか完全に欠ける事が知られている。

このフユシャクの仲間の中でも、♀の翅が完全に消えてしまっている(ように見える)のが、フユシャク亜科の仲間になると思う。この冬に見た、その仲間をいくつか。

ウスバフユシャク
ウスバフユシャク,2016年1月下旬,東京都

ウスバフユシャク(だと思います)の、オスとメスがいた。既に交尾した後なのだろうか。これからってことはないと思うんですが。

クロテンフユシャク
クロテンフユシャク, 2016年1月下旬,東京都

上のウスバフユシャクの近所に、よく似たクロテンフユシャクがいた。横線の曲がり具合でクロテンと判断した。

ウスモンフユシャク
ウスモンフユシャク? ,2016年1月中旬,東京都

ウスバフユシャクやクロテンフユシャクに比べて、ちょっと翅に丸みがあって黒い点も消えているから、ウスモンフユシャクと判断した。

ウスモンフユシャク
ウスモンフユシャク,2016年1月中旬,東京都

こちらも同様にウスモンフユシャクと判断した。上のと同じ日にすぐ近くで撮影。クヌギやコナラの森の外縁部だった。

クロバネフユシャク
クロバネフユシャク,2016年1月中旬,東京都
クロバネフユシャク
クロバネフユシャク,2016年1月中旬,東京都

翅が黒鉄色のクロバネフユシャク。2枚とも同じ日に撮影。
コンクリートやブロックの塀にとまっているのばかり見つかる。こういう背景だと、必要以上に暗く写ってしまったり、カラーバランスがくるっているように見えることがあるので、樹木や植物など色のあるものにとまっているところを見たい。

ウスバフユシャク?
ウスバフユシャク,2016年1月下旬,東京都

おそらくウスバフユシャクだろうと思うのだけど、このところ♀ばかりよく見かける。サクラの木の幹にいたが、周囲の鉄柵にも4頭ほどの♀がいた。ところが、次の日の朝行ってみると一つもいなかったりする。翅もないのに、どこに行ってしまうんだろうか。

ウスバフユシャク
ウスバフユシャク(深度合成撮影),2016年1月下旬,東京都

OM-D E-M1の深度合成を使ってみた。絞りf/4、フォーカスステップ5で8枚をカメラ内で合成。

E-M5IIのフォーカスブラケットについては以前にも載せたが、E-M1(Version4.0)はカメラ内で深度合成が可能 (ブラケット枚数は8枚に固定される)なため、外で使うようなときは合成結果をその場で確認できる。
実のところ、テントウムシとかカメムシなんかでは、手持ちでほぼ等倍撮影しつつのフォーカスブラケットを数回試しているのだけど、深度合成してみると、各コマ間のズレが大きくてまともな結果が得られなかった。
ふだんは手持ちで撮影しているが、深度合成のための8コマの連写中に微動だにしないのは無理なので、一脚に載せた。三脚ではスライディングアームでも着けないと、被写体(蛾)に対して都合いい位置にレンズを持ってこれない。
一応やってみたけれど…という感じ。撮影時のパラメータをちゃんと勉強しつつ、より接近して写したいところである。

フユシャク♀

こちらは1月中旬の朝、公園を散歩していたら木杭の上でフユシャクの雌がウロウロしていた。ちょっと黒っぽい感じはするが、メス単独で種を言い当てるのは難しいので、「フユシャク亜科の何かの♀」となってしまう。

明るい時間帯はたいていはジッとしているのに元気で珍しいなと思って動画も撮影し、いずれもYoutubeに置いた。マクロレンズで結構寄っているのですぐにピントがずれてしまうが、撮影者の問題なんでしょう。再生時は画質を1080p(HD)としてください。

フユシャク亜科以外の、広義のフユシャクもいくつか写しているので、ぼちぼちと載せていく予定です。