クロウリハムシ

クロウリハムシ ( 黒瓜葉虫, Aulacophora nigripennis )は、体長7,8mmほどのハムシの仲間で、梅雨の時季から秋までよく見る。特に、カラスウリが蔓を延ばして葉をつけ始めると、ほぼ必ずといっていいほどクロウリハムシも付いている。

クロウリハムシ
クロウリハムシ, 2015/6/17, 東京都

2月や3月にフユシャクを探してうろうろしていると、公園の公衆トイレの壁やその周辺の樹皮上なんかでクロウリハムシがゆっくり歩いているのを見かけたりした。クロウリハムシは成虫で越冬して春~初夏に産卵し、夏~秋には一生を終えるらしい。

クロウリハムシ
クロウリハムシ,2015/4/16,東京都

越冬した成虫が繁殖活動にいそしんでいた。この後5月初めに産卵するとして、新成虫の出現は6月からということになるだろうか。ちょうど梅雨の時季には、越冬したものと新成虫のいずれも見ることができるのだろう。見分けは付きませんが。

クロウリハムシクロウリハムシは上の写真のように、カラスウリの葉を円弧を描くようにかじって、孤立した領域を作る。
この行動(トレンチ行動)の目的は、葉の内部のパイプを断ち切ることで、クロウリハムシにとっての「苦味」あるいは毒にあたるような成分が供給されなくし、切り取った領域を美味しくいただくため、ということらしい。せっせと葉を掘っているような行動が、トレンチ (Trench )という言葉 (塹壕や掘割という意味) にぴったりに見えたのだろう。

クロウリハムシすっかり孔があいてしまった。