初夏の強い陽射しの中、蛾が羽化していたり交尾していたりで何かと忙しい今日この頃。通勤中にふと見ると、柵の下でヒロオビトンボエダシャク (広帯蜻蛉枝尺蛾, Cystidia truncangulata) が羽化して翅をふるわせていた。
名前の由来は、翅の大きさに比べて腹部が長く、その模様がトンボのそれに似ているからだろうか。この季節、幼虫や蛹はよく見ていたのだけど、成虫を見るのは今季最初のこと。幼虫や蛹はいくつか撮影していたので、並べてみる。
こちらはハンモックのように編んだ糸の中に横たわる蛹の姿。おそらく、尾が右で、背を下、脚を上にしている。いくつかの蛹を見ると、どれも同じだった。尾の先に脱ぎ捨てた皮の塊が見える。こちらはハンモックの中でモゾモゾしている蛹化中の個体。頭部は蛹の姿になっているが、そこから下はまだ幼虫の姿で、少しずつ脱皮しているのだろう。
ぶら下がって蛹化を開始しようとしているところ。口から糸を吐いている。おそらく、腹筋運動のように頭を上下させながら、吐いた糸を周囲にくっ付けてハンモックのようにしていくのだろう。
だいたい蛹化の開始から羽化まで2週間弱のようだった。果たして、この幼虫はどこの木の葉を食べていたのか。毎年見るのに未だ不明。