OM-Dの各種設定

先日OM-D E-M1とE-M5IIの新しいファームウェアがリリースされいずれも早速更新した(E-M1が3.1に、E-M5II が1.2になった)。公表されている新ファームの更新項目については特に何も感じるところはなかったのだけど、設定がフルリセットされてしまい、元に戻すのに手間取った。次回にそなえておもな項目を書いておくことにした。
E-M5II
フルリセットされたカメラを普段使っている設定に戻すには、だいたい以下ような項目を触る必要があった。

メニューでの設定

カスタムメニュー歯車メニューという名前かと思っていたら、カスタムメニューだった。おもにこの中をいろいろと操作していく。

AF、レリーズ、ボタン/ダイヤル/レバー関係
  • AF方式をS-AF+MFに
    C-AF+連写時には当然C-AFにする。これはマイセット2で。
  • レンズリセットをOFF
    本体電源をオフしても、レンズのおおよそのピント位置が変わらないのでマクロ撮影時や望遠撮影時に便利。
  • MFアシスト 拡大のみON
    ピーキングを使うとEVFの表示フレームレートを高速にできないので。
  • AFイルミネータをOFFに
    暗い場所ではONにするが、普段からピカピカ点くのはみっともないので。
  • レリーズタイムラグをショートに
  • 機種によっていろいろいだが、「拡大」機能を押しやすいボタンに。
  • ボディ前面のプレビューボタンは、マイセット2の選択用に
  • レバーは、mode5として AF/MFの切替に利用。
  • MFの時にはAELボタンでS-AFさせるように。
露出/測光/ISO/フラッシュ
  • 高感度ノイズ低減 OFFに
    必要を感じたら、RAW現像時に適用するので。
  • 測光 最近は中央重点を使うことが多い。ESP測光とそんなに変わらないような気がするが。
  • フラッシュ同調速度 1/250~1/60
  • EV補正とフラッシュ調光の連動はONにする。
    明るくしたいときにはフラッシュも余計に光らせたいので。
表示/EVF/画質など
  • フレームレートを高速に
  • 電子音をOFF
  • 画質はLSFおよびMSFを設定。
  • MSF時のピクセルサイズは2560×1920に
    RAWも残すことを前提としているのでjpegは小さめ。
  • Control表示/P/A/S/M→LVスーパーコンパネのみをチェック。撮影時に OK を押したときにでてくるメニューの表示方法の選択だが、E-M1ではLVコントロールが、M5IIではLVスーパーコンパネが初期値になっている。

撮影状態撮影状態ではファインダー(ライブビュー)はこんな具合になっているが、ここでOKボタンを押したときに、何を表示するかを決めるのがControl表示設定である。

スーパーコンパネスーパーコンパネはこんな感じ。

LVコントロールLVコントロールはこんな具合である。全体を見たいのでいつもスーパーコンパネを使っているのだが、E-M1の初期値はLVコントロールのみチェックありになっていて戸惑った。

Controlメニュー2つともチェックが入っている場合、スーパーコンパネまたはLVコントロール表示時にINFOボタンを押せば表示が切り替わる。

その他
  • 撮影確認は0.3秒
    S-AF単写のときは0.3秒だが、AFによらず連写のときはOFFに。このあたりはマイセットごとに切り替える。
  • 低振動モード◇  0秒
    0秒として電子先幕シャッターを選択。E-M5IIとE-M1とで場所が違う。M1では露出/測光/ISOだが、M5IIでは「撮影メニュー2」にある。

ここまでは背面のMENUボタンを使って設定できる項目だが、これではまだ足りなくて、LVスーパーコンパネと呼ばれるメニュー(撮影状態でOKボタンをクリックして表示)での設定も残っている。

スーパーコンパネでの設定

スーパーコンパネには撮影時に変更したい項目が並んでいるが、案外変更しないものも多い。

  • 画質モードをMSF+RAWに。
    ここでRAWを忘れると小さいJPEGしか残らない。
  • AFターゲット選択をsmall中央1点に。
    連写用マイセットでは大きい方の中央1点に。
  • コントラスト(C) -1に。
    OLYMPUS VIEWER3での操作を減らすため。
  • フラッシュは強制発光に
    AUTO発光と強制発光とでは、シャッター速度が変わる。これについては後述する。

撮影時に頻繁に変更するのはISO感度とAFターゲットだろうか。AFターゲットは矢印キーですぐに変更できるようになっているので、OKボタンでコンパネを開いたときISO値が選択状態になっていると変更しやすくてよい。

マイセットについて

OM-Dのマイセットというのは、さまざまな設定値の集合体で、おおよその設定内容を記憶させることができる。例えば単写用とか連写用とかのマイセットを作っておくことで、撮影中にボタン一つで別のマイセットを呼び出したり、電源オン時から特定のマイセットを有効にしたりすることができる。
上に長々と書き連ねた設定内容は、一番多く使っている単写用の設定で、マイセット1に登録している。もっとも、カメラはこの設定内容を「現在のセット」として記憶しているので、わざわざマイセットに登録しておく必要もなさそうなのだが、別のマイセットを作る際には登録しておいた方がよい。そうしないと、設定のやり直しになってしまう。

2番目のマイセット(例えば連写用)を作るときには、現在の設定をどんどん変更していく。S-AF+MFをC-AFに、レリーズを単写◇から連写Hに、AFターゲットをスモールからラージ(標準)に、ISO感度を400に固定、撮影確認をOFFに、絞りを開放から1段絞る…などを行う。そのようにして「現在の設定」を連写に適したものとし、納得がいったらLVではなくEVF表示にして撮影メニュー1のマイセット2に登録する。
マイセットメニュー撮影メニュー1のリセット/マイセットメニューでは、内容が登録済のマイセットには「登録」と表示される。中身を登録し直す際には、マイセットを選択して右矢印ボタンを押し、そこで「登録」を選択する。
マイセットの登録後、撮影メニュー1においてマイセット1に切り換えると、現在の設定が単写設定に戻る。プレビューボタンの機能をマイセット2の選択としているので、ボタンを押していろいろな設定が切り換わることを確認する。ここでもう一度プレビューボタンを押すと、元の設定内容に戻る。
電源オン時からあるマイセットを有効にしたいときには、撮影メニュー1のリセット/マイセットメニューにおいて有効にしたいマイセットを選択してOKを押し、現在の設定を切り換えればよい。リセットまたは別のマイセットに切り換えるまで、電源オン時にはその設定セットが有効になる。

マイセットの内容を変更するときには、上記の手順で変更したいマイセットを現在の設定に呼び出し、変更したい設定項目を変更したのちに、もう一度同じマイセットに登録する手間が必要。マイセット選択中に行った変更を、自動的にマイセット内容に記憶する/しないのようなオプションがあればよいのだが。

フラッシュのAUTO発光と強制発光

今回のファームウェア更新によるフルリセットで、AUTO発光と強制発光とでは、同じような被写体を撮影したときのシャッター速度およびISO値が異なってくることに気が付いた。これは古くからある仕様のようなのだけど、今まで認識していなかった。
リセット後は初期値のAUTO発光に戻っていたのだが、昆虫を撮るときは暗い場所が多く、意図したときにはいつも発光していたから、設定し忘れていたことに気が付かなかったのだけど、Windows Explorerに表示されるEXIF情報によるとシャッター速度が半分に、ISO感度が倍になっていることに気が付いた。
どうやら、AUTO発光のときはおよそレンズの1 / (焦点距離×2)秒のシャッター速度に固定され、必要に応じてISO値が上がる。強制発光のときは(暗い場合)シンクロ同調速度の最低速度が使われる。いずれの場合も調光量はTTL AUTOなのでカメラが決めてくれるのだが、これはほぼ一定しているようである。
だいたいの場合、小さいムシを写すようなときには、絞り優先AE(Aモード)、ISO AUTO(200~1600)で、絞りf/8にしている。カメラによる自動調光、自動露出により、更新前の撮影結果は1/60(最低シンクロ速度の設定値)でISO 400というのが多かった。ところが、AUTO発光になってからはMZD60mm F2.8を使っているから、いつも1/125になりISO800という結果ばかりになっていた。
ズームレンズで試してみると、焦点距離に応じてカメラがシャッター速度を変えているのがよく分かる。強制発光のときには、ベタッと最低シンクロ速度に張りついているのだが。まだまだ知らないことが多い。