今年は10月に入ってからの台風や、ちょっと遅めの秋雨前線の影響で天候が安定しなかった。晴れたと思ったらヒドく暑くなってみたり、ちょっとした雨と思っていたらとても寒かったりだった。この週末も冷たい雨が降っている。そんな中、下旬の晴れた日に写したムシの写真など。
テングスケバとツマグロスケバは、いずれも頭の先から閉じた翅の先まで10mm程度の小さなムシ。メダマの縞模様が面白い。
テングの方はレインボーカラーというか、派手な色合いなので年に一度ほどは目にするのだけど、ツマグロの方は地味で目立たないこともあってはじめて見た。いずれもちょっと姿勢を変えてほしいなと思って指で動かしたら思わぬ速さで飛び去ってしまった。
雨模様の天気から一転した秋晴れの日だったせいか、あちらこちらで日光浴中のムシに出くわした。ボタンクサギの花(つぼみ)の蜜を吸ってるところと、鉄柵の上で太陽熱を吸収中のクサギカメムシの幼虫。植物の方のクサギは「臭木」と書くが、ボタンクサギの花はちょっといい香りがする。この臭木によくいるからクサギカメムシというらしいが、それほどでもないような気がする。
おまけでボタンクサギの花。
こちらも久々の太陽光で体温を高めている(?)キマダラカメムシの幼虫。体表の短い毛が日光を浴びて白く光っていた。成虫もすっかり増えてしまって洗濯物についていたりするので、注意が必要。
越冬前のキタテハも日光浴中。寒い日は葉っぱの裏で静かにしているのだろう。
ヤマトシジミに接近して写そうとしていたら、モデルさんになろうというのか、ウラナミシジミがヤマトを追い払ってしまった。
東京地方ではウラナミシジミは寒くて成虫も幼虫も蛹も越冬できないことになっていて、もっと暖かい地方から風に乗ってやってくるらしい。たしかに最初に見るのは6月以降で、暖かい季節に繁殖を繰り返すのか10月になると増えてくる印象の蝶。
夏前にエダマメなんかを育てている畑の側だったので、幼虫か蛹で越冬されたりすると農家の人には大迷惑だろう。
公園を徘徊していたら細いトンボの姿が見えたので、ついて行ったらヤブランにとまってくれた。イトトンボとしてはずいぶんと大きな方のオオアオイトトンボだろう。メタリックグリーンがきれいだった。このトンボは今まで10月や12月に見ているのだけど、暑い季節にも見つけたいものである。
スズメガの幼虫も顔を出していた。ビロウドスズメの幼虫は、全身が見えないと超小型のヘビが顔を出したようで、ちょっとびっくりする。
きれいな緑色のシモフリスズメは暗い場所だったのでフラッシュをあてて撮影したが、2枚目はどうせならもっと絞りを開ければよかったか。頭から見て最初の白いすじに寄生ハエもしくは寄生ハチがへばり着いているので、この個体が成虫になる可能性は低いかも。
扁平な感じのアオマツムシ。背中の翅の模様が複雑。翅の先が切れているから、カマキリかクモにでも襲われたのかもしれない。
近所では最もポピュラーなセスジツユムシ。触角が長いので、全部入れて撮ろうとすると本体部分(?)が小さくなってしまう。背筋の色が薄いのでメスなのだろう。
のんびりした顔付きのオンブバッタ。体長4cm弱だったのでたぶんメスだろう。数頭見かけたが、すでにオスは役割を終えたのかオンブされている姿は見なかった。
撮影はOM-D E-M5 mkIIとおもにMZD60mmマクロを使った。オオアオイトトンボはMZD12-100mmの100mm端を使ったが、近寄っても逃げない5cmほどのムシなら問題ない。たいていの場合はあまり近寄れなかったり、もっと小さかったりするので210mm以上が欲しくなるのだが。
E-M1 mkIIが有償の定期点検からなかなか帰ってこないのでM5IIを持ち出したが、じっとしているものを写すなら成果はあまり変わらないかな。ただ、ISOオート時のシャッター速度下限が独立して設定できないから、ISO200を維持する代わりに1/25秒でシャッター切れ、とかカメラに言われて余計に気合が必要になるくらいか(静音モード = 電子シャッター使用時)。じっくり昆虫を写すようなときは、呼吸をしばらく止めてでも基準感度のISO200はキープしておきたいところ。高速なシャッター速度が必要なときは、そんなことは言ってられませんが。