先日、朝の薄暗い森の中でマヤランをサッと見て、さあ行こうかなと思ったら、柵の擬木の上に短く折れた木の枝状のなにかが見えた。薄暗いせいで目を凝らしてもよく分からなかったので、とりあえずフラッシュをあてて撮影してみるとシャチホコガの仲間、ツマキシャチホコ (Phalera assimilis) だった。
左側が頭で右側が尾になるが、いずれの端もパキッと折れた木の枝が部分的に枯れ色になったところのようで、自然の木の枝にでもいたら、簡単には見つけられないだろう。
顔を。自然光ならISO1600で1/8秒ですよとカメラ(OM-D E-M5II) が言ったものの、無理はしないで普通にクリップオンフラッシュ(FL-300R) を使った。翅の反射が気になるので、露出+フラッシュ補正を変えながら数枚撮影。絞りはf/8だが距離が近いので翅の端はボケてしまう。
横から。翅の先端(写真では右端)の白っぽい大きな紋の縁取りの色が、赤味をおびた褐色なのが、このツマキシャチホコの特徴とのことです (http://www.jpmoth.org/Notodontidae/Phalera_assimilis.html)。
同じ日に別の個体も見つけたので撮影したが、こちらはホントに暗いところにいた。ちょうどこの森の羽化日(?)だったのだろうか。
日中にTTLオートでフラッシュを使う場合、背景の明るさによってフラッシュの光量が変わる。背景が明るいと撮影時にフラッシュの光量が減ってしまうから、写したいもの(蛾)に対しては露出不足になってしまう。それでフラッシュ補正が必要になるのだけど、いろいろなパラメータをいじるのは面倒なので、右手人差し指でグリグリするダイヤルに、露出補正とフラッシュ補正が連動するよう設定している。
今回の場合、擬木の反射に影響される1枚目はプラス側に、背景が真っ暗な4枚目はマイナスに補正した。こういうときも、構えたままEVFで撮影結果を確認しつつ補正と撮影を繰り返せるのがOM-Dのいいところだろう。