ガガンボ(ハエ目ガガンボ科)といえば、かなり大きな蚊というイメージなのだけど、4月の上旬に現れるマダラガガンボは驚くほど大きい。
毎年この時季になると、玉川上水の鉄の柵でマダラガガンボをよく見る。体長はマチマチで30~50mm程度、脚の長さはそれより長いから、全体を収めようとすると長辺が20cmくらいの長方形を写すような具合になり、60mmのマクロレンズでは下がって撮ることになる。歩きながらもっと小さな虫を探していることが多いから、目にした瞬間にいつも驚いてしまう。
胸部~頭部をアップで。なんともメカニックな印象。
ハエの仲間(双翅目)なので、前翅2枚しかなく、後翅は平均棍(へいきんこん)と呼ばれる器官に変化している。上の写真では、翅の下にでている先端が球状の部分。
雨の日に別の個体を撮影したもの。翅に色の濃いマダラ模様があるので、マダラガガンボという名前になったのだろう。脚も太いのだけど、他のガガンボと同様にちょっと触るとポロポロ外れてしまいそうなので、触れないことにしている。
複眼に雨滴がついていた。
下部の左右に付きだしているのが平均棍。平均棍の役割については、wikipediaの解説が興味深い。もともとは、飛翔時に翅の上下運動に対抗するバランサーのような器官だと考えられていたが、現在はその説は否定されていて、飛翔の際の三つの回転軸(ロール、ピッチ、ヨー)の状態から姿勢を検出するための感覚器官を兼ねているという説もあるとか。昆虫にも飛行機にも門外漢ながら、なかなか面白い。