12月のよく晴れた日、都立狭山公園と隣接する村山貯水池のあたりをカメラを持って徘徊した。駐車場もあるのだけれど、西武多摩湖線を終点の西武遊園地まで乗って行った。
電車からも巨大な壁のようなアースダムがよく見える。駅からちょっと歩いて都立狭山公園に入り、堤体に沿って上がると下貯水池全体と富士山が見えていた。村山貯水池は東側の下貯水と西側の上貯水池に分かれていて、その2つは上に都道が走る堤体で区切られており、上下あわせて多摩湖とも呼ばれている。
貯水池から富士山
堤体の北の端あたりが見晴台になっていて、天気がいい日は富士山がよく見える。この写真では、雲もあって白い富士山が何処にあるのかわかりにくいが、およそ中央にあります。
上のは12mmで撮影した3枚をパノラマ合成して16:9の比率になるようトリミングしたもの。
まだ紅葉も残っていた。
ついでに300mmでも撮影。
堤体から見た貯水池。西武ドームの向こう左手に、雲取山をはじめとする奥秩父の山々が見える。
村山貯水池は東京都の重要な水源の一つだが、もともとは多摩川から取水した水をそのまま貯めているとのこと。取水は、玉川上水と同じく羽村にある取水堰で行われておりここまで導水管が敷かれているらしい。Google Earthで見てみると、羽村取水堰の標高が123mで貯水池は100mとなっていたから、重力によって水が導かれてきているのだろう。導水管は現在米軍に接収されている横田基地の下を通っているような気がする。そうだとすると、メンテナンスはどうしているのやら。
野鳥
下貯水池の堤体の上は遊歩道(あるいは自転車道)になっていて、武蔵大和駅方面に歩いて行くことができる。都内最大の湖ということで水鳥もいるのだけれど、なかなか堤体の近くに来てくれない。
ホオジロガモのメスが一羽。すぐに潜ってしまう。
カンムリカイツブリは数羽遊弋していたが、やはり近寄ってくれなかった。
300mmにMC-20というテレコンを付けて600mmで撮影。こういうときは必須だろう。
春にいったときに写したコチドリとセグロセキレイ。この3枚はMC-14を付けて420mmで。
水鳥というわけではないが、水辺の鳥のサギ。チュウサギかダイサギかいつもよくわからないのだが、ダイサギのような気がする。カワウもよく飛んでいた。
MC-20を付けっぱなしにしていたが、散歩も兼ねているときに三脚や一脚は邪魔でしかない。すべて手持ちで撮影。
飛行機
地図で見るとよく分かるのだけど、このあたりは航空自衛隊の入間基地に北向きにアプローチする経路になっているのだろう。訓練中の自衛隊機もよく飛んでいた。
機首の特徴からすると、電子線支援機と呼ばれるEC-1だろう。
やはり600mmの狭い画角で撮っているので、こういう風にしか写らなかった。向かってくる様子を取ろうとすると、南東方向にレンズを向けることになってド逆光でうまくいかず。
こちらはビジネスジェットのようなU-4という機種。フレームに収まらず。
取水塔
この貯水池の取水塔は「日本で一番美しい」と称されている。午前中にこちら(北側)から見るとどうしても逆光になってしまって、ちょっと冴えない。
南側から2つの取水塔を見ると、ちょうど中間にわが西武ライオンズの本拠地メットライフドームが見える。
手前の柵が入らないよう、もうちょっとアップで(40mm)。
都立狭山公園
堤体を渡り切ると、都立狭山公園の森林につながっている。その森林を抜けると、武蔵大和駅周辺の住宅地である。そのあたりは武蔵大和市なんだろうと思っていたのだけど、東大和市でした。
そういえば、狭山という地名は東京にはない。埼玉県の狭山市もこの公園に隣接する所沢市の北側にあたる。狭山という地名は丘陵と渓谷(あるいは谷地)からなる地形に由来する言葉だと思うのだけど、渓谷にあたる部分には東京都の巨大な貯水池が作られ、丘陵部(狭山丘陵)の一部は、東京都と埼玉県の自然公園に指定されている。昆虫や野鳥も多いことは想像できるので、今後の探索範囲にしてみたいところ。
野鳥か昆虫でもいないかな、と思って徘徊している途中で見つけた紅葉。いずれも、LAOWAの7.5mmで撮影。紅葉はド逆光がいいと思う。ワンパターンですが。
クロスジフユエダシャクは、大量にヒラヒラしていた。あまりに多いので目移りばかりしてしまってメスは発見できず。
この森にはほんとにガビチョウが多い。水場のそばの薄暗い森が好きなんだろうけど、ヒトが歩いていてもすぐそばで騒いでいたりする。これは6月に420mmで写したもの。
カメラはOM-D E-M1mkIIを使用。レンズは300mm F4.0 PROとテレコン2種、そして12-40PROとLAOWA7.5mmを使った。これくらいの機材ならば、リュックに入れて徘徊しても苦にならない。
とりとめもなく写真を並べただけになってしまったが、電車で行きやすいし見晴らしもいいから、天気のいい日にはまた行ってみたくなる場所の一つ。貯水池周囲の遊歩道を歩いていると、陽に焼けた西武ライオンズの監督が走ってきてびっくりしたりもできます。