9月下旬、江戸東京たてもの園にて

9月の下旬に入って、小金井公園にある江戸東京たてもの園をブラブラした。とはいえ、暑さで参ってあまり長居はできなかったが。

たてもの園の移築された建造物についての詳細は、たてもの園公式ページの復元建造物の紹介を参照してください。

旧自証院霊屋

たてもの園に入ってすぐに目につく建物で、江戸初期(1650年代)の建築。うるし塗りや金箔は定期的に改修されているのだろう、きれいに保たれていた。

旧自証院霊屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園, 旧自証院霊屋

何年か前の休日に訪れたときは、御開帳なのか虫干しなのか、扉が開いていて中の様子も見えた。

旧自証院霊屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園, 旧自証院霊屋

正面から見ると、柱の上部にある一対の象が気になる。右側が阿形、左が吽形なのだろうか。

デフォルメされているが、鼻の先端の形状は本物に近く見える。徳川吉宗の時代に象が江戸までやってきた(途中、京都御所にも寄った)話は有名だが、16世紀末にも来ていたようである。精密な写生が残っていたりして。

旧自証院霊屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園, 旧自証院霊屋

金色の象の阿形。

旧自証院霊屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園, 旧自証院霊屋

金色の象の吽形。

旧自証院霊屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園, 旧自証院霊屋

階段の脇も金色。下っ端が使うものではないのでしょう。中央部には丸に軍配を配した紋が入っているが、この紋はこの建物のあちらこちらにたくさん施されている。由来を検索してみたが行き当たらず。この御霊屋は、徳川家光の側室のために作られたものということで、徳川家の家紋も探してみたが見当たらなかった。

荒物屋丸二商店

昭和初期の建物が並ぶ「東ゾーン」にある荒物屋丸二商店。神保町から移築されたものらしい。

荒物屋丸二商店
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、荒物屋丸二商店

木造建築だが、いろいろな形の銅板が組み合わされていておもしろく、通りに面した側全体が意匠になっていて看板建築というらしい。Laowa 7.5mmでデジタルシフトを使って正面顔を撮影。建物に正対して写したつもりなのだけど、ちょっと傾いてしまったかな。

荒物屋丸二商店
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、荒物屋丸二商店

荒物屋の鍋。

荒物屋丸二商店
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、荒物屋丸二商店

荒物屋のザル。

荒物屋丸二商店
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、荒物屋丸二商店

荒物屋のヤカン。ヤカンと共にねずみ取りもぶら下がっているような。

昭和の家並み
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園

荒物屋の角を入ると、昭和初期の家並みが再現されている。松本清張原作の終戦後を舞台にしたテレビドラマでは、ビートたけし演じる刑事がここに住んでいたと思う。

居酒屋鍵屋

江戸末期に、現在の台東区下谷に建てられた居酒屋らしいが、建物や内部は昭和45年当時を復元したものらしい。とはいえ、関東大震災やアメリカによる空襲もくぐり抜けてきたらしく、ここで酒が飲めたら何かご利益があったのかもしれない。

居酒屋鍵屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、居酒屋鍵屋

修復を繰り返しているとは思うが、木造建築はいい色になる。デジタルシフトで撮影しローキートーンで印象より色濃くしてみた。

居酒屋鍵屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、居酒屋鍵屋

店内の様子。だらだら飲まずに、熱燗で身体を温めて、さっさと引き上げるのがふさわしい店の佇まい。

居酒屋鍵屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、居酒屋鍵屋

お品書き。値段は現在の五分の一といったところか。

居酒屋鍵屋
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、居酒屋鍵屋

銭湯の前あたりから見たところ。離れたところから長いレンズで写しているので、正面からとはバランスが変わる。正面からの方は、Laowa 7.5mmを使った。

銭湯子宝湯

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯

荒物屋のあたりから通りの先を見ると、銭湯子宝湯の立派な建物が見える。はるか遠くに見えるが、実際はさほどでもない。

この通りもドラマの撮影でよく使われている。NHKの朝ドラの何か(暮しの手帖の話だったか?)でヒロインが走っていたと思う。

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯

昭和初期の建物で、足立区の千住から移築されたものらしい。さきほどの居酒屋は銭湯の左隣にある。柳の下の日かげには写生のオジサン。

 

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯の女湯

ここに来ると、まずは女湯に入ってしまう。ペンキ絵は女湯が湖畔の風景で男湯が富士だった。この湖はどこなのだろうか。

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯の女湯

わざわざ女湯の湯槽に入って撮影。天井が高くてひろびろとしている。採光もよく考えられていて気持ちのいい場所。

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯の男湯

こちらは男湯。

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯の女湯

腕を伸ばして男女を隔てる仕切り越しに女湯側を写してみた。意外と仕切りは高かった。

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯の男湯の脱衣場

窓を開け放った脱衣場。風が通って気持ちよかった。

銭湯子宝湯
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、子宝湯

のれんをくぐって外に出た。

その他

「その他」でくくってしまうのは申し訳ないのだけど。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、乾物屋

乾物屋の表にあるタバココーナー。タバコの自販機に認証用のカードが必要になって以来、有人のタバココーナーが復活したように思うが、こういうのも復活しないものかな。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、傘屋

和傘問屋に展示されていた傘と神棚。手前が作業場または接客用のスペースで、段の上の奥が居住スペースなのだろう。昔の家は風通しがよく考えられてる。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、商人宿

商人宿の卓袱台と神棚。あちらこちらに神棚がある印象。商人宿というと、つげ義春のマンガを思い出す。ふすまを隔てて隣合った同士がよく空咳をするとか。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、醤油屋

醤油屋の重厚な看板。知らなかったが、江戸末期から昭和初期にかけては佐渡は味噌の名産地だったらしい。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、都電7500系

都電7500系。1962年製造とのこと。これを見ると、レールを伸ばして走らせてみてはどうかいつも思ってしまう。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、都電7500系

新橋行きになっていた。前に見たときは渋谷行きだったような気がする。

江戸東京たてもの園
2017年9月下旬,江戸東京たてもの園、都電7500系

都電7500系の客室。暑かったせいか、他に誰も乗っていなくて広々と写った。

OM-D E-M1 mkIIにMZD12-100mmとLaowa 7.5mmをとっかえひっかえして撮影。12-100mmは昆虫を写すとき以外はすごくいい感じに使える。Laowa7.5mmはこういう場所では必携のレンズだと感じている。たてもの園はわりとよく訪れるのに撮りこぼしも多いので、また機会があればブログに載せることにします。