Pro Micro + mini USB Hostシールドの二階建てバージョン(更新)

概要

前回は8MHz/3.3V動作のPro MicroとミニUSBホストシールド(mini UHS) をブレッドボードに並べたが、今回は省スペース(?)の2階建てバージョンを作ってみた。ちょっと加工したmini UHSの部品面にピンソケットを立て、そこにPro Microのピンを差し込むかたち。

Pro Micro + miniUHS
Pro Micro + miniUHSの2階建て版

miniUHSボードへのパッチや配線図は前回のものと同じ。Pro Microにはパッチを当てないので、ふつうにピンヘッダをハンダ付けしている。miniUHSにはんだ付けしたピンソケットから外せば、ブレッドボードなどでふつうにPro Microとして使うことができる。

ピンソケットとしては、秋月電子の12ピンでリード長が10mmのものを使った。

もともとの投稿は急ぎで書いたために説明不足の部分があったので、内容を更新しました。

miniUHSの別バージョン

mini UHSの別バージョン

コアな親指シフトユーザーの方から、二階建てバージョンのhoboNicolaのUSBキーボード版を使ってみたいと言われた。手持ちがなかったのでminiUHSやPro Micro 3.3V/8MHz版をaliexpressで数枚注文したのだけど、届いたものがコレで、前回使ったものとはシルクが変わっているしオシレータの形状が違う。裏面のSPI関係のシルクの誤りは相変わらずである。
今回のものは、DuinoFun USBmimi V2.0 という製品のようである。USB mimi ですよ。ただ回路構成は同じようなので、使うぶんには問題ないだろう。

投稿を更新するにあたり、このボードを使った作業の写真と説明を追加した。

作り方

miniUHSが一階、Pro Microが二階になるように、miniUHSの部品面にピンソケットを取り付ける。mini UHSボードの配線の修正とピンソケットのはんだ付けの手順を間違えると、うまくいかない。

miniUHSを加工する前に、3.3V/8MHz版のPro Microに付属のピンヘッダをハンダ付けし、PCにUSB接続するなどして動作を確認しておく。Windows10ならば、LilyPad Arduino USB というデバイスとして認識されるはず。

miniUHSのパターンカット

まずminiUHSボードのパターンカットを行う。

mini UHS改造
mini UHS 接続が必要な端子とパッチ

VCC端子-VBUS間と、RST端子-MAX_RST間のパターンをカットする(上図の赤い斜線)。導通チェッカーなどで確実に切れていることを確認しておく。

Pro MicroとminiUHSのピン位置決めと、片側だけはんだ付け

はんだ付けする前に、miniUHSの上からピンソケットの足を差し込み、そのピンソケットにPro Microのピンを完全に差し込む。そして、その状態でピンソケットのリードをブレッドボードに差しこむ。このときリードが正立しておらず、斜めだったりハの字だったりするとブレッドボードにうまく入らない。しょうしょう上から押してやったりゆすったりして正立させる。

リードが正立したようなら、Pro Microを付けたままブレッドボードからそっと抜き取りminiUHSの配線面が上になるよう、はんだ付けの作業場所に置く。

mini UHS + Pro Microの二階建て版

こんな具合。

miniUHSで追加の配線が必要なのは上の写真の(RAW)と(RST)なので、そちら側のピンソケットとminiUHSのスルーホールを、とりあえず両端2か所ずつほど軽くはんだ付けする。
はんだが冷えたらPro Microを外し、反対側のピンソケットも外す。

mini UHS + Pro Microの二階建て版

ピンソケットを片側だけ軽くはんだ付けした状態でブレッドボードに差したところ。2箇所のパターンカットも見える。

mini UHS + Pro Microの二階建て版

相方はPro Microに差したままで、こんな具合になっている。

追加の配線
miniUHS
miniUHSにパッチ

これは前回ブレッドボード用にパッチをあてたものだが、今回は部品面にピンソケットが載っているので、こういう風には配線できないから、ワイヤの端子側は裏面にはんだ付けする。

mini UHS + Pro Microの二階建て版

ピンソケットのリードが通っているスルーホールに、ワイヤの先を差し込むようにしてはんだ付けする。

そしておそらく使わないスルーホールにワイヤをくぐらせて部品側に出し、MAX_RSTとVBUSにはんだ付けする。

mini UHS + Pro Microの二階建て版

VBUS用のワイヤ(赤)だけはんだ付けしたところ。MAX_RST用(紫)はまだ。いったんスルーホールにハンダを流しておき、ハンダを溶かしながら被膜を剥いたワイヤの先を十分に差し込んで冷やす。

配線が終わったら、先ほど外したピンソケットをもう一度差し、Pro Microを取り付けてからもう一度位置決めする。ピンソケットが正立したら、新たに取り付けたピンソケットをはんだ付けする。もう一方のピンソケットを後から付けているのは、配線作業の邪魔になるから。

mini UHS
mini UHSの裏から配線

こんな具合になった。

mini UHS
mini UHSの部品面

部品面はこんな感じ。この写真を見ると、RST-(MAX_RST)間でパターンカットした痕跡はピンソケットに隠れてほとんど見えないし、VBUSとMAX_RSTでのはんだ付けも下側のピンソケットがあるととてもやり難いのが分かる。

きょうのまとめ

スケッチについては、HIDキーボードを接続してHIDキーボードに見せるものなど、すべて同じように動いた(あたりまえですが)。

ピンソケットをmini UHSにはんだ付けするとき、Pro Microとmini UHS間で接続すべき端子については、ちゃんとやっておく。前にも書いたようにmini UHSのスルーホール端子の多くは何処にも接続されていないので、全部やることもない。
それでも、リードの長いピンソケットを使っているので、ブレッドボードに差せばPro Microのすべての端子の信号は引き出せている。

いくつかの写真は、OM-D E-M5mkIIのカメラ内深度合成を使って撮影した。室内で長めのシャッター速度で写しているせいか、シャッターボタンを押したときの揺れに影響されることが多い。リモートレリーズケーブルを使わなくてもセルフタイマーで撮影開始できればいいことなので、改善が望まれる。

マクロレンズで写しているので写真を見ると大きく見えてしまうが、実際にはとても小さいです。背の高いマッチ箱程度と言いたいところなのだけど、最近はマッチ箱も見なくなった。全体でちょっと太い親指といった程度か。あまり慣れてなくてもできるのはこのサイズまでかと思う。

作業用のジャンパワイヤには、ジュンフロン線 0.26mm (外径0.56mm)という製品を使った。秋月で買ったと思っていたのだけど、マルツからのようでした。マイコンボードにちょっと細工する程度なので、なかなかなくなりません。