ウスバフユシャクの婚活場

昼間に玉川上水沿いを歩いていたら、柵の上にウスバフユシャクの♀がいるのが見えた。体長10mmほどの小さな虫だがこういうのはよく見えてしまう。

ウスバフユシャク ♀
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

まだ14時にもならない時刻なのに、すでに♂を呼ぶ姿勢をとって頑張っていたので、夕暮れにも一度出直すことにした。E-M1にMZD60mm F2.8マクロと、いつもより大きいフラッシュ(FL-600R)を用意した。

ウスバフユシャク ♀
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

東京地方の日没時刻に合わせて17時ころに出直してみると、まだ薄明るい中、柵の上や横に複数の♀を発見。薄暗くなったせいか、活動的に歩き回っていた。前夜は雨だったことや、無風であることなど、好条件がそろっているように思った。

ウスバフユシャク ♀
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

すべてウスバフユシャクの♀だと思うのだが、若干太いものや長いものもいた。
夜間の撮影では、一瞬光るだけのAFイルミネータを使うので、ピント合わせはカメラ任せになってしまうが、昼間よりちゃんと合っているように見えるのは気のせいだろうか。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

あたりがすっかり暗くなった17時25分ころ、♂がヒラヒラと飛んできた。日没後25分ほど、周囲がすっかり暗くなったタイミングだった。

その♂は、1頭の♀のそばで激しく羽ばたくと、サッと抱きつき、胴を抱えるようにしがみ付いた。弱々しく飛ぶウスバフユシャクが空中で定位置にとどまるためには、ふだんより激しく羽ばたく必要があるのだろう。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

徐々に上に回るとさっそく交尾を開始したようだった。抱きついてから30秒も経過していない。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

やがてお馴染みの、昆虫の交尾でよくみられる体勢に移行していく。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

このままの体勢で約15分間経過。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

20分間ほど経つと、♀が♂を引きずるように歩き出した。♂の翅が直立しているが、この時点では、もしかして♂は用済みなのだろうか。♀は、早く離れないかしら、とか思っていたりして。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

たまに懐中電灯を点けると、複数の♂がヒラヒラと飛んでいるのが分かった。しかしながら、なかなか♀に到達しないことが多かった。別の♀にも♂が抱きついた時点で、延べ1時間ほどの観察を終了。

ウスバフユシャク 交尾
ウスバフユシャク,2015年1月,東京都

こちらは翌日の昼間(13時ころ)にやはり玉川上水沿いで撮影したものだが、昨夜の場所からは1km以上離れている。昼間からですか、と思ったが、実際には昨夜からこのままなのかもしれない。