E-M5IIの連写時のオートフォーカス(AF)と露出(AE)について

そろそろ東京地方のウメの花は終わりに近づいている。曇りの日に花をつついていたメジロ君をOM-D E-M5IIで連写してみた。

E-M5IIの連写時の露出について、前に載せた「梅にメジロ」でも少し書いていたのだけど、しょうしょう勘違いもあったりしたので、後の方にまとめておきます。OM-D使い始めて3年以上経つのになぁ。

梅にメジロ2

ちょっと前のときと同じ構成で、E-M5IIにMZD75-300IIの望遠端を使用。曇りで陽射しが無かったこともあり、絞りはf/6.7でISO感度は800~1000、シャッター速度は1/250または1/320だった。これが300mm F4だったらいいんだけどなーとか思ってしまう今日このごろ。

梅にメジロ2-1梅にメジロ2-2梅にメジロ2-4

この3枚は、連写L(S-AF+MF)での連続したコマで、AFはシャッターボタンを全押しした時点でロックされるから、半押し中にMFアシストを使ってピントを合わせておく。ただ、メジロが同じ枝の上で少々動く程度ならいいけれど、別の枝に飛び移ったりしたら、たいていはピンボケになるので連写を続けても時間のムダになる。前にも書いた記憶があるが、タッタッタッタッと5,6コマ連写したら、シャッターボタンを戻してAFをやり直すような使い方が向いていると思う。

C-AFを選択していると、レンズのピントリングを回してもピントは動かない。背景や周辺がうるさい状況(ちょうど、枝に止まったメジロを撮りたいとき)などでは、枝や花にピントがあったりするし、連写したコマごとにピントが変わっていたりするのであまり使わない。
ただ、これも前にも書いた気がするが、水面上の水鳥とか飛んでいる鳥や飛行機ならば、合焦さえしてくれれば、それなりにピントを維持してくれる。まあ、C-AFを使うような状況ならばE-M1の方が向いているのは間違いない。

E-M5IIのAEL/AFLモード

AFについての設定項目の中にAEL/AFLモードというのがあって、メニューを開いて見てみるとS1/C2/M3とか書いてある。連写時のAFや露出決定のタイミングは、この項目に設定されたモードで決まるようである。ややこしいのは、AF方式に応じてモードの内容が変わっていることである。

AEL/AFLモード

AEL/AFLモードには以下の4つがあり、各モードのAF方式ごとの動作を並べてみると以下のようになる。
なお半押し/全押しとは、シャッターボタンの押し具合のこと(モード4はAF方式がC-AF時のみ)。Fn1ボタンとは、カメラ手前側のEVFの横にあるレバーの根本のボタンのこと(注:AEL/AFLという機能は、Fn1ボタン以外にも割り当てられる)。

  • モード1
    S-AF半押し:AEL/AF実行
    C-AF半押し:AEL/AF開始
    S-AF全押し:撮影
    C-AF全押し:AFL/撮影
  • モード2
    S-AF半押し:AF実行
    C-AF半押し:AF開始
    S-AF全押し:AEL/撮影
    C-AF全押し:AEL/AFL/撮影
  • モード3
    S-AF半押し:AEL
    C-AF半押し:AEL
    MF半押し:AEL
    S-AF全押し:撮影
    C-AF全押し:AFL/撮影
    MF全押し:撮影
    S-AF:Fn1ボタン:AF実行
    C-AF:Fn1ボタン:AF開始
    MF:Fn1ボタン:AF実行
  • モード4 (C-AFのみ)
    C-AF半押し:(何もしない)
    C-AF全押し:AEL/AFL/撮影
    C-AF:Fn1ボタン:AF開始

※ OM-Dの設定メニューやマニュアルでは、ここで「撮影」と書いている部分が「露出」にあたる。ただ、露出というと、まるでその時点で露出パラメータを決定するようなイメージがあるので撮影と書いた。撮影時の露出パラメータはAEL動作によって決定される。意味合いとしては、「露光」の方がいいかもしれない。

AF方式がS-AF

S-AF(Single AF)のときには、上記でAF実行と書かれているときにのみAFが動作する。なので、AFが動くのはモード1,2での半押し中か、モード3でのFn1ボタンの押下中のみ。全押し中にはピントの変化は起こらない。
なお、S-AF動作はカメラがピントが合ったと判断した時点で完了する。物足りないことがあるので、MFアシストしたりするわけだが。

AF方式がC-AF

C-AF(Continuous AF)の場合、上記でAF開始と書かれている操作によって、連続的なAF動作が開始してカメラはフォーカス枠内のどこかにピントを合わせ続けようとする。
そして、AFL(Auto Focus Lock)と書かれている操作(シャッター全押し)に伴って、その時点でAF動作を中断して1コマの撮影が実行され、撮影が完了するとAFLが解除されてAF動作を再開する。

AEL/AFLモード

AEL動作

AEL(Auto Exposure Lock)動作により、その時点でカメラが捉えている光に応じて露出パラメータやホワイトバランス等が決定される。その後撮影が完了するかAELが解除されるまで、それらを変更しないという動作。したがって、モード1やモード3では全押し中に光源が変わっても露出パラメータ(絞り、SS、ISO)は変化せず、モード2,4のみが追従する。1枚1枚シャッターを押す単写のときには、いずれも同じことになるが。

モード3についてのみ、MF(Manual Focus)での動作を記述したが、これはOM-Dのレバー操作によってAF方式をMFとし、シャッターボタンではなくFn1ボタン(AEL/AFL機能が割り当てられたボタン)の押下によってAF実行させるような使い方を想定した。

連写との関係

連写L時の各コマの撮影時には、上のAEL/AFLモードにおける「全押し」に相当する動作が行われる。したがって、S-AFならば連写中にAF動作は行われないし、C-AFならばAFL+撮影動作が繰り返される。そして、

  • 連写L+モード1,3 = 半押し時の露出パラメータに固定。
  • 連写L+モード2,4 = 連写中の光源に露出パラメータは追従(ホワイトバランスは?)。

ということになるので、外で何かを追いかけるような撮影をするならば、モード2か4を使うことになる。

ただ、連写時のコマ速が優先される連写Hでは、いずれの場合も最初の1コマ目の全押しのタイミングでAEL+AFLされる。そのため、モード2,3であっても露出は追従しないし、C-AFを使っていてもAF追従もしないことになっている。

E-M1もほぼ同じ

E-M5IIについて書いてみたけれど、E-M1も話はあまり変わらない。ただAF方式がC-AFで、連写Hのときだけ挙動だけが異なっている。
そのように設定している場合、連写Hのコマ数設定が秒9コマ以上のときには無条件に秒9コマになり、1コマ目でAELされる点は変わらないものの、AFLは撮影動作ごとに行われるのでAF追従してくれる。ただ、AF枠が若干狭くなることをわずかに意識しておく必要があるだろうが、連写時には中央しか使わないので困ったことはない。

ハクセキレイ1月の終わりに氷結した池でスケートをしていたハクセキレイ。これはE-M5IIのC-AFで撮影したんだったか。